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同い年くらいだろうか。倒れたターゲットの前に女が立っていた。



12



「こいつの仲間?」


俺の顔を見るなり目を見開く女に質問する。あまりにも俺を見てくるから思わず殺気を飛ばしたら、ひっ、と少し悲鳴を上げた。
うん、うるさくないのはいいね。無駄に騒がれると面倒くさくてつい殺しちゃうし。


「ねぇ、質問に答えて」
「え、あ、ちがう」
「じゃあなんでこんなとこにいるの?」
「ぐ、うぜん…」


偶然?偶然で普通こんな薄暗い路地に入ってくるもんかな。可笑しなことをいうなあ。うーん、無駄な殺しはするなって言われてるけどこういう状況だとどうするんだろ。面倒くさいな、やっぱ殺すか。一人くらい殺しても問題ないだろうし。
針を手に持つ。が、よく見ると女からオーラが出ているのに気付いた。念能力者?いや、仮に念能力者だとしても纏が全然できてない。むしろ今精孔が開きましたと言わんばかりの垂れ流し状態だ。


「え、え?」


自分の体を包むソレを何か理解できていないのか、女は目を見開いている。女の頬に傷があることに気づいた。あ、なるほど。女の方に針が飛んでそれが原因で瞳孔が開いたのかな。気紛れで周は今度からやめたほうがいいな。まあ今更だし、どうせ女はこのままオーラを出し切って死ぬだろうから、俺は無駄な殺しをせずにすむし丁度いい。そうとわかればさっさと帰ろう。


「じゃ、頑張ってね」


思ってもないことを口する。どうせ頑張っても無理そうだしね。応援の言葉くらいは掛けてあげるよ。


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