Optimist | ナノ

念を目覚めさせるには、瞑想や禅などで自分のオーラを感じとり、体中をオーラが包んでいることを実感した上で少しずつ精孔を開いていく。



10



「頭ではわかってるんだけどなあ」


実際にやれと言われると簡単にできるものでもない。そのせいでこの数ヶ月は瞑想しかしていない。
いや、瞑想とかするのがゆっくり目覚めさせるためだとわかってはいるんだけどもね?最初の1ヶ月でなんとなくだけどオーラを感じ取れることができただけでもかなりの進歩だと思うわけですよ、それからは何も感じてないけど。というか今の段階で自分がどこまで成長したかわからないわけだけど。
念能力者が私を見たら、もしかしたらだけど、私の精孔が開きかかってるかもしれない。まぁそんな都合よく流星街に念能力者なんて居ませんけどね!


「まだやってんのか」


よくまぁやるなぁ、と欠伸をしながら部屋に入ってくるラウさん。


「ラウさんもやります?瞑想」
「ハッ、冗談は頭だけにしとけ」


そういって鼻で笑うラウさんは昼寝でもするのか、ごろんと横になる。
頭だけって…私そんなばかでもないしキチってもねーわ。いらりとした勢いで横になったラウさんの頭を叩くと、パシンッといい音。ふふん!してやったぜ!的な感じで何故か誇らしげになったこの時の自分を恨みたい。


「あいっいだだったたたた!!!」
「あんだ今の顔は?」


突然伸びてきたラウさんの手が私の頭を掴む。掴むというよりこめかみに攻撃を受けている。10歳下でしかも女の子相手に容赦ないなこの人!!ラウさんはラウさんで怒っているというよりも笑顔だ。心なしか笑顔が黒く見えるがそれさえかっこよく見えてしまうのでやはりイケメンとか外国人はずるい。この状況でこんなことを思う私の頭はもうラウさんのせいで脳細胞やられてんじゃないか。

まあでも、ラウさんはお世辞でなく本気でかっこいい。背高いし、流星街で鍛えられたのか体格もいいほうだ。三十路手前だがそれがいい感じの大人の魅力を出してるかもしれない。難点を挙げるなら、性格と口が悪いといったとこだろう。


「見た目ももちろんですけどやっぱ中身って大事ですよね」
「………」
「あっいたい!いたいです!なぜそこで力を強める!!」


脳細胞が死んでいくぅ!なんて涙目で訴えると溜息を吐いて離してくれるからまだ人の心を忘れてないな、と思う。
さっきはラウさんにやります?なんて聞いたが、きっと私よりラウさんのほうがハイスペックだと思うわけで。だから後から始めたラウさんのほうが先に念に目覚めそうで悔しいから本気で誘ったりはしない。というか本気で誘ったとしてもラウさんは面倒くさがってやってくれないだろうから意味ないけど。そんなことを思っていると隣から寝息が聞こえてきた。寝るの早いな。
規則的な寝息を聞いてると心が落ち着く。

この平和が続けばいいなぁ、なんて考えながら私は再び目を閉じて瞑想を始めた。


prev / next

[ back ]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -