世良が家にいる。
今ではそれが普通になってしまっている。
あんなに俺に説教されて、ボロクソ言われたにも関わらず世良は俺のことを好きだとぬかしやがった。
俺も世良が好きで、舞い上がったなんてのは秘密だ。
そうして付き合うようになり、やることもやった。
今じゃ、翌日が休みだと世良を家に連れ込むようになった。
そう。だから、世良がいると言うことは今日が休みだってことだ。
それなのにこいつは。
「なんで寝てやがる」
俺の家にもなれたのか、世良は横になって雑誌を読んでいた。
ふと時計を見ると、ちょうどいい時間。
それならと思い、腰を上げキッチンへ向かう。
いつもなら、俺が勝手にメニューを決めるが、今回は気まぐれで世良の食いたいもんを作ってやろうかと思った。
だから声をかけたのに。
こいつは読んでいた雑誌をそのままに、気持ち良さそうにグースカ寝ている。
「全く。なんで寝てやがる」
茶色の髪がふわふわしているのが目に入り、つい触ってしまった。
「さらさらだな」
世良と一緒に横になって、そのまま髪を撫でる。
ふわふわの髪は以外にもさらさらで、絡まる事なく指を通す。
不意にキスがしたくなり、寝ている世良に触れるだけのキスをする。
「何やってんだ、俺は。恥ずかしい」
でも、そんな俺も嫌じゃない。
このまま一緒に昼寝をしようか。
こいつが起きるまで腕の中に閉じ込めながら。
END.