寂しいときは | ナノ

ハマが移籍してまだ、2週間ちょっとしか経っていない。
少しは今の状態にもなれた。
丹さん達が、俺を気遣ってくれているから。
そんな丹さん達に甘えてしまっているが、気は楽だ。
でも、練習が終わって家に帰ると、ハマがいたらご飯食べて帰って来るのにとか、そんなことばかり考えてしまって、やり場のない思いが燻ってしまう。
俺とハマは親友で。
何人か知っている人もいるけど、恋人でもある。

家に入って靴を脱ぐ。
風邪なんかひいていられないから、洗面所に行って手洗いうがいをする。
今日堺さんの家に行くって言ってたから、きっと今頃手洗いうがいされられてるんだろうな、世良。堺さんそういうの厳しいし。なんてことを考えながらリビングに戻る。
そしてソファーにダイブ。

「ハマー、会いたいよ…」

ボソッと呟いてみる。
ダメだ。余計に会いたくなる。
練習がない日重なるのっていつだろう。

「ハマー、会いたいよ…」

再度呟く。
クッションに埋めていた顔を上げてみる。
窓から月の光が差し込んでくる。
夕方に帰って来たのに、いつの間に夜になったのだろうか。

ケツポケットに入れていた携帯が鳴った。
ハマに設定していた曲だ!
急いで携帯を取り出し、電話にでる。

「もしもし!ハマ?」

『そうだよ。キヨ元気そうだね』

「まあね。ハマに負けてられないし」

『そっか』

沈黙が訪れる。
何かを言おうとしているのがわかったから、ハマが切り出すまで待つことにした。

『ねぇ、キヨ』

「なに?」

『寂しくてどうしようもなくなったときは月を見てよ。俺もキヨに会えなくて寂しいときは月を見るから』

月。
そういえば、今日はやけに明るいなと思い窓の外をみる。
満月だ。

『例え離れていたとしても、今見ている月は同じ物だよ。だから、繋がってるんだ』

「うん。ありがとう、ハマ」

『どういたしまして』


寂しいときは

(月を見よう君と僕は繋がっている。)

「ははっ!ハマってロマンチストだったんだな」

『こんな俺は嫌か?』

「まさか。そんなハマも大好きだよ」


END.



ツイッターの例のやつを思い出しながら書いた。しかしハマをロマンチストにしすぎたな…。
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