恋は周りを見えなくさせる | ナノ

















最近、自分がおかしい。
ジーノはそう感じていた。

気付けば視線が、赤崎を追っているのだ。

今も、ストレッチ中の赤崎を見つめていた。

ストレッチをしながら、世良と何やら話している赤崎。

それを僅かに不機嫌な表情で見つめていると、そんなジーノに近付く影が。

「おっかねー顔してんぞ」

「…タッツミー」

ニッと笑った達海は、顎で別方向を示す。
そちらを見れば、睨み付けるような堺と目が合った。

「世良の保護者にも睨まれてっから、止めとけ」

「別にセリーには何とも思ってないよ」

ツーンとそっぽを向いたジーノに、達海はニヤニヤと話し掛ける。

「穴が開くほど見つめて。そんなに愛犬がお気に入りか?」

達海の揶揄に不愉快そうに眉を寄せたジーノは、言った。

「自分でもおかしいって分かってるから放っておいて」

「ハハ。珍しいな。お前がそんな面するのなんて夏木相手くらいかと思ったが」

笑う達海に、ジーノは言った。

「…ナッツとは真逆だから」

「え?」

「ナッツは不愉快だけど、ザッキーは違うんだからねっ」

そう、顔を赤らめて言ったジーノは、スタスタとクラブハウスに向かって歩き出す。

「おいジーノ!まだ練習中だぞ!?」

「タッツミーの所為で不愉快だから帰る!」

「俺の所為かよ!?」

帰ろうとするジーノに、赤崎がストレッチを止めて言う。

「帰っちゃうんすか?」

「……」

しばし見つめ合う二人。

折れたのは、珍しくジーノだった。

「…キミが、そう言うなら」

その行動に一同は驚き、赤崎だけが笑った。

「王子可愛いっすね」

「余計な事は言わないの」

何だかラブラブモードの二人に、周囲は呆れるしかなかった。




「…堺さん」

「そんな羨ましそうな目で俺を見るな」















恋は周りを見えなくさせる














End
ツイッターの診断にあてはまりましたのでいただいちゃいました!
ザキジノです^^
サクセラ不足だぁ!と叫んでいたら、サクセラも入れてくれました!
嬉しいよ(´;ω;`)ブワッ
葵様ありがとうございました^^
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