思考が定まらない。
深い、深い海の色のような闇に捕われ、正常に物事を考えられなくなっている。
何を考えているのか、俺自身にもよくわかっていない。
■つかまえた本音の端っこ■
ただ、がむしゃらにひた走って来た。
止まらないように。
余計なことを考えないように。
一回捕われると抜け出せなくなるから。
それは小さな頃からの癖みたいなもので。
だから、走り続けようと思っていたのに。
捕まってしまった。
思考の渦にがんじがらめにされてしまったのだ。
ぐるぐるに絡まって、簡単には取れそうにはない。
何が原因かなんてわからない。
どうでもいいことで頭の中がいっぱいになっている。
いつもなら、すぐに忘れてしまうような、本当にどうでもいいこと。
ぐるぐる、ぐるぐる渦を巻いて、どうしてだかいっこうに答えにはたどり着けない。
こんなとき、ハマが居てくれれば。
ハマと出会ってから、俺がこんなに思考に捕われることが少なくなった。
ハマの声が、匂いが、体温が。
ハマの存在すべてが。
俺に安らぎを与えてくれて、くだらない思考は何処かへと行く。
ハマのことを考えるだけで、今までのぐるぐると渦を巻いていた闇は何処かへと行ってしまった。
この感情がなんなのか、俺は知っている。
この、相手のことを考えるだけで甘酸っぱい思いになる、この感情を。
今までは認めたくなくて、なんとか自分をはぐらかして来たけれど。
もう限界だ。
俺はハマが好きだ。
男を好きになるなんて思わなかったけれど、好きになってしまったものはしょうがない。
度胸はあるのだ。
ハマに電話しよう。
声が聞きたいのもあるが、この想いを伝えたい。
答えが出るまでに、だいぶ時間のかかったこの想いを。
つかまえた本音の端っこ
(「ハマ、俺ね……」)
END.
最後までお読みくださり、ありがとうございます^^
相変わらず、最後がぐだぐだになります。
誰か文才下さい←
キヨの考えていたこと、告白の返事は御自由に想像してください^^