こうして俺が強引に連れられて来たのは、厚めの画用紙に「帰宅部」と丸っこい可愛らしい文字で書かれ、その周りにはウサギやらネコやらの動物がおり、ふきだしらしい物に「ようこそ!」と書かれていた。にしてもこの絵のセンスは独創的というか何と言うか…正直言って、このウサギやらネコの横にそれぞれ名前が描いてなければ、二匹とも化物と認識していたに違いない。
それまでに超絶…下手だった。てか、帰宅部にようこそも何もあったもんじゃなくね?

って言うか、

「帰宅部…?」

この学校にそんな便利な部活動があったのは、初めて聞いた。新しく出来たのか…?ま、ともかくこの部活に入部すれば、毎日薔薇色の学校生活は保証されたも同然!

「この部活は今年、オレが作ったんだ!けど帰宅部っていうのは仮の名で、本当は超能力者の集合所なんだぜ!どうだ!かっこいーだろ?」

期待して損した。
そんな親指グッと立てて言われても困る。俺は落胆しながらも少々質問してみる事に。

「…学校側から、認められているんですか?」

「ちゃんと許可は貰ったぜ!顧問になってくれる先生も見つかったし、人数も揃ってる。ちゃんとした部活動として認められてるけど、訳あって公にはしてないだけだ!」

「…顧問になってくれる先生はなんて…?」

「帰宅部って言ったら、楽(らく)そうだからって引き受けてくれた。」

どこの先生だ、そいつは。
俺は呆れたように溜息を零した。俺は早くこの場を立ち去りたかったのだが、手を離してはくれる様子はいっさい無い。もうこの部活に入れる気満々だ。

ちっちゃい先輩はガラガラと音をたてながら扉を開け、中へと進んで行く。手を掴まれてる俺は多少バランスを崩し、前屈みになりつつもよろよろと歩いていき倒れないように最低限のバランスをキープ。

「…部長、そいつは?」

少し間が開いた後、透き通るような高めの声が部室内に聞こえてきた。すると部長、と呼ばれた彼は笑いながら投げ掛けられた疑問に返答する。

「新入部員だ!今そこで会ったんだけど、超能力に興味あるから是非入部したいんだって!」

いや、興味があるかについては肯定したけど入部したいとは言ってない。すると透き通るような澄んだ声の持ち主は再度口を開いた。

「お、新入部員か!これは嬉しいなぁ。」

嬉々とした声音。まずい、これは早めに断らねば後々断りにくい事になってしまう駄目なパターンだ。

「あの……」

俺は顔を上げてその声の主を見据え、思わず言葉に詰まった。

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