何故、こんなに勉強に勤しんでいるのか?そもそも、どうして勉強をしなきゃならないのか?

…取り敢えず、時は三日前まで遡る。



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俺の名前は、佐藤七四(さとう ななし)。さとうは普通の佐藤で、ななしは漢数字の七四だ。自分でも変わった名前である事は自覚している。昔は名前をネタによくからかわれていたものだ。例えば数学の時間、掛け算での7×4でわざわざ間違えて、ななしとかいう奴とか、俺のあだ名をしちしにする奴とか、挙げ句の果てには28と呼ばれる始末。
不愉快窮まりない…とまでは言わないが、何か好きじゃなかった。今は前の学校の人が行かなさそうな高校を選んだお陰で、28とは呼ばれていないから良いけど。

ちなみに、そんな自分の年齢は17歳。つまり高校二年生、という訳だ。
28という忌ま忌ましい数字とおさらばしてもう二年目…名前ネタの件はここまでにしておこう。思い出したら泣きそうになってきた。やっぱり俺、このニックネーム嫌いみたい。

勉強そこそこ、運動神経そこそこ、コミュニケーション能力そこそこ…何に関しても人並みで、何の変哲も無く至極平凡な俺だが、ただ悩みとすれば…どの部活動に入るか決めねばならないという事だ。

現在俺が通う如月高等学校では嫌でも部活動に必ず入部せねばならない大変面倒な制度が義務付けられている。
俺は何に関してもそこそこの平均さ故に、人よりも秀でた部分が、自分で言うのは悲しいけど…一つも無い。特技は何か、と聞かれれば何も答えられないくらいに能力が平均的すぎる。

…そういや、お前高ニだから部活決まってるだろ、とかいう疑問を抱いた人がいるかもしれないから一応説明をしておこう。

これでも去年までは一応文芸部で活動してた覚えはあるけど…何せ、入部しているのは腐女子ばかりで話し掛けようにもあのオーラはちょっと…。結局、あのオーラに近寄れなかった俺は女子と一言も話す事無く、幽霊部員として一年を無駄に過ごした。

で、こんな虚しい経験があったからこそ今年はもっと楽しい部活に入ろうと決めたんだ。教室であまり目立たない俺にとって、部活というのは仲間を作り一致団結してリアルを充実させるものだと考えている!

だからこそ、俺は一年ごとに部活動登録出来る…すなわち、部活を変えられる制度に心から感謝した。さらば、文芸部の腐女子ども。

そんなこんなで今回は、スポーツがあまり好きではない理由から、運動部を全面的に避けて、且つ文芸部以外の文化部に入部しようと思う。だが、文化部といってもどの部活動に入部しようか。

例えば吹奏楽部。
あの素晴らしい音楽を奏でる部活。この学校に入学した際に聴かせて貰ったっけ…あの演奏は凄かったな。
だが、俺は楽器に対しての知識は浅く、ほとんど無知に近い。だからあんなサックスとかトランペットなんて弾いた事ある訳がない。小学生の授業で行われるリコーダーやピアニカくらいだ。中学生の時はアルトリコーダーなんてのもあったかなぁ…。

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