俺よ、何をこんなに緊張しているんだ。

「さて、イワンも来たとこで部活を始めるぞー!」

あ、この方がイワンさんだったのか。岩澤だからイワンってか?実際どうなのかは知らないけど。

「さーて、今日の活動内容だけど……」

「おい、邪魔するぞ。」

日之坂先輩…もとい、部長が何らかの説明をしようとした矢先にスーツ姿の女性…恐らく教師だろう、が現れた。今度は一体何なんだ?さっきから絶えず人が来てるような気がしてならない。

「植村先生?どーしたん?」

植村先生、と呼ばれた女性は溜息混じりに部室内に足を踏み入れ、長い茶髪を揺らしながら日之坂部長の前まで歩み寄って行った。

「日之坂ァ…来月の始め、テストだって、知ってたか…?」

「テスト?」

「はぁ……。確認テストの事だよ、うちの学校限定で行われる校長からの嫌がらせテスト。お前、今日何日か知ってるよな?」

「おうよ!4月25日!」

テスト…そういやそんなんあったっけ。校長先生の方針で、うちの学校は他の学校よりややテストが多い。全く…生徒としては迷惑な話である。確か、テストが実施される日が1、2日の二日間だから…つまり、テストまで今日を含めてあと6日って事か。まあ、俺はちゃんと勉強しててもしてなくても常に平均的だから問題無いけど……ん?何だ、この張り詰めた空気。

「はっ…!か、完全に、忘れてた…!……ま、大丈夫だよなっ!」

「おいおい、全然大丈夫じゃないだろバカ。お前いつもテストの点数赤点じゃないか。はぁ…仮にも部長なんだから、しっかりしてくれよ、ヒノ。」

日之坂部長に呆れ気味に言うは涼代先輩。つか、いつも赤点て…部長どんだけ頭悪いんだ?
ってか、涼代先輩からヒノってあだ名で呼ばれている日之坂部長に少なからず羨ましいと思ってしまったのは俺だけか?

「あと、岩澤!お前もだ!毎回どれか一つは0点なんだからな!」

「興味が無い事には一切手を付けないだけですよ。すみません、植村教諭。」

「…ったく、他はオール百点満点だから日之坂よりはマシだけど…。」

…どれか一つの教科を犠牲にして、他は百点って…凄いような、凄くないような。

「あとー…雨宮は化学と数学をもう少し上げるべきね。他はそのままの点数をキープしとけ。」

「……わかった。」

「涼代、五十土はこいつらの勉強を手伝ってやれ。あとー……ん?見掛けない顔だな。日之坂、こいつは?」

「今日入部した新入部員、佐藤だ!結構いい奴だぞ!」

結構いい奴って…適当な説明だけど、あまり口出しはしないでおこう。

「そか、我が宅力部に新入部員か。確か、さっき一年生が入って来たから…これで新入部員は二人目ね!あたしはこの部活の顧問、植村ほなみ(うえむら ほなみ)!担当教科は世界史よ。一年生や二年生と顔を合わせる機会はあまり無いから、あまり知られて無いんだよな、あたしの名前。」

あぁ、だから知らなかったんだ。…つか、ほなみ…って可愛らしい名前だな。勇ましい口調とは合わないくらい。
俺はそんな事を考えつついたが、ふとある疑問が生じ植村先生に質問をした。

「…植村先生、結構テストに熱が入ってるようですけど、何でそこまで徹底するんですか?」

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