ドン引きレベルの主張愛 二人っきりならともかく、紀平さんの目の前でキスしてくる四川にはなんだ、もう大分俺も怒っていた。 別に二人きりではいいというわけでは決してないのだけれど、それでも紀平さんに見られてる、と思ったらまるで生きた心地がしなくて。 「あ、はーいもしもしー?司君?どう?そっち行けた?」 と思ったら普通に電話し始める紀平さん。 全くこっち見てすりゃいねえ。 「ああ、こっちはもう始めてるよ。うん、そっちの方気をつけといて。多分、動きがあるのは上だから」 見てほしいというわけではないが、なんなんだ、俺が意識し過ぎなだけなのか。 人前でキスは当たり前なのだろうか。 というか、上ってなんだ。 司との断片的な会話に疑問符浮かべているところに無い胸弄られ、流石にギョッとする。 「…っ、ゃ、めろ、馬鹿…ッ」 「止めろって言われて止めるやつのが馬鹿だろうが…っ!」 「っ、ぁ、ちょ、待て…っ!おい!」 残念なことに胴体と腕を縛られている今抵抗する術も無く、乱暴に服をたくし上げられたその時だった。 「うっわ……」 剥き出しになった人の上半身を見るなり、思いっ切り顔を引き攣らせる四川。 あまりにも失礼な四川のリアクションになんだとこの野郎と思いながら自分の上半身に目を向けた俺はびっしりとキスマークを付けられた胸元を見てそっと目を閉じた。 「…どんだけだよ、お前」 「や、やめろ……勝手に見てんじゃねえよっ!」 つ、司の野郎。いや、店長か。 嫌だ、心当たりがありすぎてもう嫌だ。 何よりこの露出狂もとい四川にドン引きされたことが結構ショックなのだけれども。 |