笹山vs四川×原田で脱衣格ゲーC

というわけで、早速二回戦が始まったわけだが。

先程よりも笹山の調子が悪い。


「笹山、頑張れっ!」

「すみません、原田さん。…その、少し離れてもらえませんか」

「あっ、わり…」


笹山の隣で応援していたのが邪魔だっただろうか。
困ったように笑う笹山に慌ててソファーを立った時。


「おい原田、こっち来いよ」

「はっ?!なんで俺が…」

「ちげえし、勘違いすんじゃねえ。てめー単体に用はねえよ。それ、取れよ」


そう四川が指したのはテーブルの上のグラスだ。
なんで俺がと思ったが、そこで俺は閃く。

グラスを渡すとき、もしかしたら四川に隙が出来るかもしれない。
あいつだって卑怯な真似したんだ、少しぐらい邪魔してやろう。

というわけでここは素直にやつの言う事を聞いてやることにした俺。


「…ほら」

「ああ、わりいな」


そう、俺の持つグラスを受け取ろうと伸びてきたやつの手。
よっしゃ、今だ!ぶっかけてやれ!
そう思いっきりグラスを傾けようとした矢先のことだった。


「っと」


予め読んでいたかのように、難なく傾いたグラスを受け止めた四川。
それまではまだ、よかった。
けれど。


「っ、うわっ!」


思いっきりグラスごと中身をぶっ掛け返される。
胸で受け止めたのでグラスを落とさずには済んだが、その代わり上半身にオレンジジュースで濡れてしまった。


「な、なにしやが…」

「わりーわりー。ちょっと今手が離せなくてな。…あーあ、こりゃやべえな。びしょびしょじゃねえか」

「お前のせいだろっ」


充満するオレンジジュースの匂い。
幸い着ていたものはどうでもいいTシャツだったのでよかったが、薄い分ぴたりと肌に張り付く感触が気持ち悪くて堪らない。
そんな俺を横目、四川は笑う。


「ああ、そうだな。こんなに体に張り付いてなぁ…ああ、乳首まで透けてんな」

「な……っ!!」


何を言い出すんだ、と咄嗟に平らな胸元を隠した矢先、黙々とコントローラーを握り締めていた笹山が噴き出す。
続いて女キャラの悲鳴。
しまった、と思ったところで四川はやめるどころかエスカレートさせるばかりで。


「こっからでもよく見えるぜ。あんたの乳首。ちいせぇくせに勃起してんな…冷たかったか?」

「べ、つに…これくらい…」


平気に決まってるだろ。
そう言い返そうとするが、向けられたやつの視線を感じる度に言葉が引っ掛かり、上手く話せない。

そんな俺に、四川は。


「脱げよ」

「は?」

「上、気持ち悪いだろ?風邪引いたらきっとそいつが死ぬほど心配すっから先に脱いどけよ」


にやにやと笑いながらコントローラーを弄ぶ四川。
完全に、舐められてる。
笹山の名前を出せば従うと思ってるのが何より腹立たしくて、考えるよりも先に俺は「いいっ」と声をあげていた。


「これで、問題ない」


下手に脱いで笹山の集中邪魔するくらいならオレンジジュースに塗れて居たほうがましだ。
そう決意する俺に、相変わらず四川はにやにや笑っているのが癪だった。



mokuji
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