チャイナ娘♂の災難C

確かに、確かに肉体労働とは言ったけど…。
まじで肉体労働じゃねえか!

店長に連れて来られた倉庫にて。
目の前には山のように積み上げられたダンボール。
これを店内の棚に入れ込め。
店長はそれだけを言えば他の店員に呼ばれ、そのままどっか行った。
いやまあ、頭使うよりか体使う方が得意な方だしそれ自体は全然問題ないんだけど。

俺が気にしてることはもう一つ別にあった。

というわけで、ダンボールを店内へ持ち込んだ俺は店長に指定されていた空の商品棚の前までやってきた。
俺の背丈すら余裕で通り越した商品棚の前。
用意されたのは一本の脚立。


「……」


まあ、これ使って上れってことですよね。
いや無理無理無理。
こんな丈の服でそんなもの上ってみろ、たまたま客来たら大惨事じゃねえか。俺が。

そこまで考えて、ようやく店長の狙いがわかった。
もしかしなくてもあの睫毛、俺がこうなるのを分かってて謀ったな…!!

ハメられた。肉体労働とかいうからちょっとあれな想像してたら普通の肉体労働だったから安心していたが、ハメられた。

くそう…こうなったらやってやる…!
幸い、辺りに人気はない。
誰かが来る前にちゃっちゃと済ませよう。
スカートの中が見えちゃうから出来ませんなんてそんなこと言うくらいならやってやる!
そう開き直った俺は、脚立に登る前に念のためドレスの丈を引っ張って伸ばしておく。紳士としての嗜みだ。

mokuji
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