着脱可能

「うそっ、やだ、司、やめろってばっ!」


慌ててシャツの下の司の頭を押し出そうとするけど、執拗に乳首を吸われればそれどころじゃなくなってしまう。
無理矢理吸い出され、突起したそこを更に唇と舌で挟むようにして嬲られる。
時折吹き掛かる司の息遣いが酷く熱くて、それとも俺の体が熱いのか。それすら判断つかない。


「あっ、も、や…っ、司…ッ!」


周囲の乳輪をなぞるように舌を這わされ、時折掠める程度の舌先の感触に頭の中が蕩けそうになる。
逃げるように仰け反れば、背筋に回された司の腕に腰を抱き寄せられた。


「っ、はッ、ぁ、あぁ…ッ!」


司の舌から意識が逸らせない。
先程強く吸われたせいでジンジンと痺れては熱くなったそこは掠めるだけでも酷く疼いてしまう。
全身から汗が滲んだ。
胸の奥、舐められる度に徐々に何かが迫り上がってくるのがわかった。


「…つ、かさ…ぁ…っ」


力が入らなくて、シャツの下、司の頭部を押さえつけるように掴んでしまえば僅かに司の吐息が吹きかかって。


「…誘ってんの?」


違う、と否定しようとした矢先、思いっきり乳首に噛み付かれる。
実際には唇で咥えられた程度なのだろうが、既に出来上がりかけていたため通常時よりも敏感になっていたそこにとってそれだけの刺激も俺にとっては強すぎるもので。
瞬間、爪先から天辺まで電流が走るように体が震え上がった。


「ッ、は、ぁあ…ッ!!」

「…ん……原田さんの乳首、真っ赤になって、ぷっくり腫れてる…可愛い」

「なっ、なな、ぁっ、馬鹿ッ!馬鹿ぁ…っ!」


ぐぐもった司のうっとりしたような声になんだかもう居た堪れなさ諸々で顔から火を噴きそうになった時、ちゅっと小さな音を立て、キスをされる。
そして、ぬるりと舌先で全体を圧し潰された時。


「美味しそう」


ぱくりと、乳輪ごと咥えられる。
胸全体に広がる独特の他人の体温にゾッとした次の瞬間、思いっきり口の中のそれを吸い上げられた。


「ぁ、ああッ、や、だめ、やめろッ!司ッ!つかさぁっ!取れちゃうっ!乳首取れちゃうぅっ!」


突き抜けるような快感に、最早自分が何を口走っているのかすらわからない。
ただ、ガクガクと震え始める腰にはろくに力も入らない。
立ってられなくて、目の前の司にしがみつけば余計司の手に力が入るだけで。


「――〜〜ッ!!」


声にならない悲鳴が喉奥から溢れ出す。
休む暇すら与えないとでもいうかのような激しい口淫に何も考えられなくなって、次第に咥えられたそこが司の舌と唇の動きだけしか感じなくなっていくのが自分でもわかった。
開きっぱなしになった口からは犬みたいにヨダレが溢れて、目の前がチカチカ点滅し始める。
ああ、やばい。やばい。やばいのに、どういうことだろうか。司は全く口を離してくれないし、それどころか。


「ッ、は、ぁああッ!」


自分でも驚くくらいのその声は衝撃波でも射ち込もうとでもしてるかのようで、恥ずかしい、とかそんなこと呑気に考える暇すら与えられないまま絶え間なく体に叩き込まれる快感に先に耐えられなくなったのは俺だった。
糸が切れたような感覚とともに、一気に下着の中に熱が広がる。
乳首を嬲られてなんで股間が反応してるんだよ。
今だけはこんな余計な仕組みを作ってくれた神様が恨めしくて堪らない。

下着の中、嫌に熱く絡み付くような感覚に夢精にも似た気持ち悪さを覚え、俺は泣きそうになった。

mokuji
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