チャイナ娘♂の災難K

絶対に声を出すものか。
こんな横暴なやつなんかの、言うことなんか尚更だ。

そう決意して数分、そんな俺の意思とは裏腹に強制的に開かされた口からはなんか色々だだ漏れていた。


「っ、ふ、ぁ…っ…!」


口を閉じれないというのは体にとって結構な苦痛で、まずアゴが痛い。そして唾液が止まらない。通常ならば噛み締めていた声も、息もだ。


「それで、我慢してるつもりかよ」

「は、ぁ…っ!」


薄い生地越しに胸の突起を摘まれ、背筋が震える。
無意識に声が漏れてしまい、慌てて口を閉じようとするけど自分の舌が邪魔で閉まらない。
片手でなんとか四川の手を振り払おうとするけど、その分体の防御ががら空きになってしまうわけで。


「っ、…!…ふ、ぅうっ!」


執拗に乳首を捏ねられ、無駄に肌に優しく出来ている生地の感触が擦れてうわほんとこれちょっと冗談抜きでやばいんだけど。誰だよこんな衣装提案したやつは出てこい。
気持ちいいなんて死んでも言いたくないが、生地の感触も相俟って体に与えられる柔らかい刺激が余計、腰に来た。


「きったねえ面だな」


呆れたように、それでいてどこか楽しそうに笑う四川はそういって俺の唇に舌を這わす。
溢れていた唾液を舐め取られ、顔が熱くなる。
誰のせいだと思ってるんだと言い返そうとするが、そのまま耳朶、首筋へと舌を這わされ、文句ごと息を飲んだ。


「っ、ぁ…っ…」


吹き掛かる吐息が、触れた四川の手が、すべてに意識を掻き乱され、集中できない。
引っ張られ、揉まれ、押し潰され、間接的に加えられる刺激に頭の中がぐちゃぐちゃになって、涎が止まらなくなる。
こんなんじゃダメだ。すぐそこに客がいるのに。
わかってはいるが、わかっているからこそ、余計目の前の四川を意識してしまって、正直、どうにかなりそうだった。
堪らず、背後の脚立に凭れかかったとき。

ガシャンと小さな音が響いた。



「やっぱりそうだよ、こっちからだって」


すぐ傍から聞こえてきたその声に、どくんと心臓が大きく跳ね上がる。

mokuji
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