駄犬二匹の待てチャレンジ

犯人を捕まえに行くとか行っていた店長について行ったはいいが、辿り着いた先は店内だった。

どうして店内にきたんだ。
店長の考えがわからず戸惑ってると、店長はそのままカウンターにいた四川に声を掛ける。


「四川、笹山はいないのか」

「あー、あいつならなんか、商品案内に行ってっけど」

「…ふむ」


言われてみれば、レジを任されていたはずの笹山の姿が見当たらない。



「どんなお客様だった?」

「ハッキリとまで覚えてねえけど…あの様子からしてあいつ狙いの女だろうな。しつこく絡んできてたし」

「…女か」


嫌な予感がする。
と、そこまで言って四川も気付いたらしい。


「っと……もしかして、その女が?」

「可能性でしかないがな。…どこに行ったかは分かるか?」

「確か、あっちの方だった気するけど…わかんね、あんま見てなかった」

「まあいい。原田、お前はここにいろ」

「えっ?お、俺も…………」


行きます、と言い掛けて口を閉じる。
紀平さんが言うことが本当なら、お、俺のストーカー?……とやらがいる可能性があるわけだ。
正直かわいい女の子ならありっちゃありだけど、余計ややこしくなるのは目に見えてる。

それに、


「駄目だ。…お前はここにいろ」

「うっ………」

「もしお前の身にこれ以上何かあれば、あの鬼のようなブラコン男が何しでかすかわからんからな…………」


た、確かに……。
否定できないのが悲しい。


「一先ず四川、こいつのことを頼んだぞ」

「はあ?なんで俺が……」

「暇だろ、見るものが一個増えたと思えばいい」

「ああ、確かに……」


確かにってなんだよ!俺は商品と同等か?!
色々言いたいことはあったが、ここは大人しくしておいた方がよさそうだ。


「別に監視なんてなくても俺はちゃんとここにいますから」

「その発言がフラグにしか聞こえんのだが…………四川、頼んだぞ。笹山のことは任せておけ」


そんなこと言われたら店長のそれもフラグにしか聞こえない。

四川は最後までなんで俺が…と不満げな顔だったが、店長に睨まれると「はいはい」と面倒臭そうに返事をしていた。

く…くそ、俺だって不本意なのになんでこっちが微妙に傷つかなきゃなんねーんだ…。

mokuji
[ Bookmark ]

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -