なかまがふえた

結局、俺達はそのまま寮へと戻った。
それから、何もなかったように一緒の時間を過ごしたが茶封筒の存在が俺の気を乱す。
マコちゃんにだけは見られたくないそれは滅多に使うことのないぺっちゃんこの俺の鞄に仕舞うことで決まった。

そして、翌日。


「仙道、おはようございます」

「おはようございます」

「ちーちゃん」


と、親衛隊の…ちわわ?名前忘れた。
生徒会室前。
浮かない気分のままやってきた俺の前には見覚えのある王子様と小動物がいた。
どうやら今日は会議らしいので一応顔だけでも出そうと思ったのだが、ちーちゃんも同じらしい。
俺と目があうなりちーちゃんはにっこりと微笑んだ。


「ちょうどいい、せっかくですし一緒に行きましょうか。とはいっても、すぐそこまでですが」

「んー、いーよ。別に」


そう頷き返せば、ちーちゃんはちわわに視線を送る。
すると、ぱっと表情を明るくしたちわわは無邪気に笑った。


「では石動様、仙道様、お二人とも会議頑張って下さいね!」

「ありがとうございます、譲」


どうやらちわわもとい譲君は置いていくらしい。
ぺこりと90°腰を折る譲君に「ん、ありがとねー」と手を振る。
譲君は照れ臭そうにはにかんで、また深く腰を折った。
ちーちゃんには勿体ない礼儀正しい子。


「では行きましょうか」


失礼なことを考えている俺に気付いているのかいないのか、そう言って歩き出すちーちゃんのあとを追いかける。

mokuji
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