鬼さん登場 暇。退屈。やることない。 今の俺の気持ちを表すのならその言葉が適切かもしれない。 自ら望んだ楽だが、ここまでやることないならまた参加しといたほうがマシかもしれない。 遠くから聞こえてくる楽しそうな声を聞きながら、無人の廊下を歩く。 蚊帳の外とはまさにこのことだろう。 だだっ広い校舎の中、なかなか参加者に辿りつけず俺はイライラしていた。 さぼっちゃおうかなー。 でもそんなことしたら本当に蚊帳の外になってしまう。 んー。 ウンウンと唸りながら歩き、考えた末俺は純に電話をかけてみることにした。 が、出ない。 ついでにちーちゃんにもかけてみたがこちらもやっぱり出なかった。 電話に出る暇もないくらい熱中しているのだろうかと思ったが、そういやこのゲーム、敵味方間の連絡手段を制限するために通信機持ち込み禁止だった。 その代わりにと庶務たちがおもちゃのトランシーバーを用意していたことを思い出す。 ということは、マコちゃんとも連絡が取れないわけだ。 そこまで考えて、俺の気分はさらに憂鬱になる。 くそ、これならかいちょーの言うこと聞くんじゃなかった。 そう、とうとう宛先もなくなってしまいフラフラと校舎内を徘徊していた時だった。 背後からけたたましい足音が聞こえてくる。 どうやら参加者がこの校舎にもやってきたようだ。 何かから逃げるようなその喧しい足音にとっさに振り返ろうとした時だった。 「おーい!キョー!」 足音ともに近づいてくるその聞き覚えのある声に、全身から血の気が引く。 |