プロローグ 背中に当たったコンクリートの硬く冷たい感触に、焼けたようにひりつき痛む肌に触れるやつの力強い手。 覆い被さってくるシルエットに、充満した噎せ返る程の鉄の臭い。 辺りに転がる、ついさっきまで馬鹿やって騒いでた友人たちの体。 息が詰まりそうな程の、恐怖。 夏になると思い出す。 そしてそれは夢となり俺の心を確かに蝕んでくる。 ほら、また。 じぐりじくりと体のどこかが軋み始めるのを感じながら、俺は鉛のように重い瞼を無理矢理こじ開け強制的に脳裏に浮かび上がる映像を終了させる。 いつだってそれは付き纏う |