恐怖以上の 「…あ……ッ?」 ざらついた舌の感触に一瞬頭の中が真っ白になって。 全身から噴き出す嫌な汗。 ぞわぞわと腹の底から嫌なものが這い上がってくるようなその感触に、全身が、自分のものではないように反応する。 「や、なに、嫌だ、いや…っ、うそ、…やだ…なにこれ…っ」 尖端を軽く吸われ、もう片方の乳首を指で転がされれば頭の中がぐちゃぐちゃになって。 気持ち悪い。気持ち悪いはずなのに、腹の底、得体の知れないなにかが自分の中から溢れそうになって、それが怖くて。 「っく…ぅ…んん…ッ!」 全身を流れる血液が熱くなって、心臓の脈が加速する。 息が苦しい。 逃げたくて上半身を逸らすけど余計胸を突き出すような形になってしまう。 吸われ、無理やり引っ張り出されたそこを舌先でなぞられれば腰に違和感が走って。 「っ、や、だ……も……ッ」 なにかがおかしい。 怖いのに、怖くて仕方ないのに。それ以上に、自分が自分でなくなりそうな気がして。 響く濡れた音が一層大きくなり、両胸を同時に強く刺激された瞬間。 どくんと、体内に胸の鼓動が大きく響く。 |