嫌悪感 『キョウ、会いたかった。ずっとずっと、会いたかった。お前を探していたんだよ、俺。この街を、色んな奴に聞いてさ』 辺りに反響する仲間たちの呻き声。 そんなもの存在しないかのように、ヒズミは俺を抱き締める。 強く強く、骨が折れそうなくらいのその痛みに喘いでもヒズミは拘束を緩めようとしなくて。 『また、お前と一緒に遊びたかったから』 何が何だか分からず、そもそも初対面であるはずのそいつはそう人懐っこい笑みを浮かべるばかりで。 懐かしい、思い出したくもない悪夢は、そこで途切れた。 そしてすぐ、ぬるりと滑る首筋のなにかの感触にここがどこなのか自分が何されているのかを思い出して、戦慄する。 「っ、やめろって、おい…っ!」 首筋。噛み付くように歯を立てられ、その鈍い痛みに僅かに全身が痙攣した。 その痛みも僅かなもので、すぐに、胸をまさぐる無骨な指の動きに神経が集中する。 「っぁ、ぐ…ッ、ぅ……っ」 乳輪をなぞるように触れられ、それだけでも気色が悪くて吐きそうで嫌なのに時折その指の腹が乳首に触れる度に頭の中が掻き混ぜられるみたいに何も考えられなくなって。 呼吸がままならず、浅くなる。 首筋に這わされる舌に汗を舐め取られ、自分の体が誰かに言いように弄ばれているというこの事実が酷く吐き気を催して。 「……ッ」 マコちゃん、マコちゃんマコちゃんマコちゃん。 せめて、せめて、違うことを考えようとするけど、余計自分が惨めで情けなくなって。こんなの自分ではないと言い聞かせるもその思考すら両胸を這う指に乳首を摘まれれば掻き消されて。 「ッ、嫌だ…も、やだ、嫌だ……っ」 無意識に口から出る弱音は止まらなくて。 「泣いてんのか?可愛いな、あんた」 馬鹿にするようなその声に怒りすら感じない。 今はもうたださっさとやめてもらいたくて。 それなのに、 「俺的には、もっと嫌がって欲しいんだけどな」 そう言って、濡れた唇を舐め取ったそいつは俺のシャツを大きく開き、そのまま胸元に顔を埋めてきて。 次の瞬間、ぬるりとした肉厚のそれが乳首に触れ、背筋にぞくりと悪寒が走る。 |