物理的な黙らせ方 補佐とかいちょーという個人的に顔も見たくねーメンツが揃ってからそう経たない内に、ちーちゃんもやってきた。 そして、各自用意された席に付いている俺達を見るなり驚いたような顔をする。 「おや、随分と早いですね。…と思ったら書記がまだ見たいですね」 「書記が遅刻で貴方達が時間前に来るなんて今夜は土砂降りでしょうか」なんて冗談混じりに笑うちーちゃん。 誂われたのが面白くなかったらしいかいちょーは、「るせぇ、さっさと席に着け」と面白くなさそうに吐き捨てた。 「陽平は今日は欠席だ」 そのかいちょーの言葉を聞き、少なからず自分ががっかりしてることに気付く。 唯でさえ暑苦しいメンツなのに、ようへー君がいなかったら室内温度上がっちゃうー。ついてない。 「この前はかいちょーで今度は書記だって!」 「次の会議が会計が休んだりしてね」 意味有りげな笑みを浮かべる双子。 その目がムカついて、俺は口元だけゆるめて笑い返した。 「さあ?もしかしたら君達が休むかもしんないしねー」 「それ、どういう意味?」 「どういう意味だろ、俺もわかんねえ」 「こらこらこら、なにを険悪なムード漂わせてるんですか。私語は謹んで下さい。でなければ強制的に口を塞ぎますよ」 やはり、俺が皮肉を言ったということに気づいたようだ。 仲裁に入るちーちゃんだけどその止め方はどうかと思う。 「副会長が言うと冗談に聞こえないんだけど」 「八割まじです」 「殆どじゃん」 物理的に黙らされる前に、俺は大人しく口を閉じることにした。 |