淡い期待か悪巧みか

「今日の予定は」

「んー…、お昼ごはんにハンバーグ定食食べたいなぁ」

「そういうのじゃなくて」

「放課後、生徒会会議ー」


今にも怒鳴りつけてきそうななっちゃんを遮るように、俺は「多分それだけ」とつぶやいた。
何か言いたそうななっちゃんだけど、必死に堪えてるのだろう。
「ああそうかよ」とぶっきらぼうに吐き捨てる。
短気も短気で大変そうだ。人のこと言えないけどねぇ。


「そういえばさ、聞いた?」

「なにが?」

「日曜日のこと」


尋ねれば、なっちゃんは不思議そうに小首傾げた。
どうやらなにもしらないようだ。
てっきりマコちゃんからなにか言っているのかと思っていたんだけど、どうやら違ったようだ。
連絡報告相談をきっちり守ってそうなマコちゃんがなっちゃんにまだ話していないということも気になったけど、その反面、もしかしてこれはチャンスではないだろうかと俺は閃いた。


「日曜日がなんだよ」

「…んや、やっぱなんでもない」

「なんだよそれ」


もし、まあ、もしだけど、このままマコちゃんがなっちゃんになにも言わなければ。
日曜日、二人きりで会えるんではないだろうか。
今はまだでも後からマコちゃんからなっちゃんに伝えるかもしれないから可能性としては高くないが、それでもその可能性を信じてみてもいいんではないだろうか。


「にやにやすんじゃねえよ。気持ちワリィな」

「ぷりぷりしてるなっちゃんよりましだから」


少しだけ低い可能性に期待するくらいはいいよね。

mokuji
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