小休止

ユッキーは馬鹿なのか馬鹿じゃないのか、たまにわからなくなる。
真面目な顔して言うことは突拍子もないし、だけど、その言葉に何度も助けられているのも事実なわけで。

ユッキーの作戦とやらを聞かされた俺は、なんとも言えない不安を抱えたまま自室へと戻った。
なっちゃんが来るまでダラダラしていたかった。やっぱり俺に早起きなんて無理だ。頭がまだ夢見てるみたいに靄がかってしまっている。

それにしても、ヒズミの友達か。
類友という言葉を思い出す。
ヒズミと山岸とか言う奴が似ているとは言わないが、確かに、どちらも俺にとっては関わりたくないタイプであることは間違いない。
でもなんで、その山岸がわざわざ俺に絡んでくるんだ。


「…………」


おまけに、昔のことまで知られてるし。
ここに来てからはチームを名乗ってもないし、縁も切ったはずなのに、名前だって、キョウって呼ばせないようにしてるのに。
もしかして、ヒズミが。

ふと閃いた一つの可能性に青ざめた時だった。
荒々しく扉が叩かれる。


『おい、起きてるだろうなぁ!開けろ!』


朝っぱらからご近所迷惑な怒鳴り声はなっちゃんだろう。
やってきた騒がしい訪問者に内心ほっと安堵しながら、俺は扉へと歩いていく。

mokuji
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