たまにはこういうのも

ちーちゃんもせんせーもいなくなって再びぽつんと取り残された俺は今度こそ生徒会室を後にする。


「お疲れ様です」


扉を開けた矢先だ。
生徒会室の前には純と数人の男子生徒が立っていた。


「わあ、びっくりした」

「嘘つかないでください。眉一つ動かなかったですよ」


まあ、だって正直そんな気はしてたし。


「これからどちらへ」

「んー、じゃ、飯でも食いに行こっかなあ」

「ご一緒させていただきます」


冗談だろ。
足を進めていた俺は思わず斜め後ろからついてくる純を振り返った。


「まじです」

「やだよ、一人がいい」

「だってよ。お前らついてくんじゃねえ」

「いや君もね」


背後の二人の親衛隊らしき子をあしらおうとする純に突っ込まずにはいられない。


「じゃああれです、俺たちは違うテーブルで食べるんで」

「食べたらいいじゃん、勝手に。俺のいないとこで」

「いえ、仙道さんも一緒に」


純の頑固さはどうにかならないのだろうか。
なにを言っても聞こうとしない純に折れたのは俺の方だった。


「勝手にしなよ」


そう言って、食堂へ進む足を進めればぱあっと嬉しそうな顔をした親衛隊たちは慌てて俺の後ろをついてくる。
多少密度が濃くなったが、昔に比べたら肌寂しいくらいだ。
そんなことを考えかけ、慌てて思考を振り払った俺は純たちと一緒に昼食を取ることにする。

mokuji
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