似たもの同士


石動千夏は前から、なにかことあるごとに突っかかってくる。
あまりにも突っかかってくるもんだからマコちゃんと仲良しな俺にヤキモチ妬いてんのかと思ったが、ただ単に俺のことが気に食わないだけのようで。
正直、苦手だ。
ただの短気の単細胞なら扱いやすいが、こいつの場合あのちーちゃんと血が繋がっているお陰か妙に鋭く、一筋縄ではいかないのだ。
だからこそマコちゃんが信用するのもわかっていたが、幾分相性が悪すぎる。

部屋まで上がり、そのまま寝間着にしていたTシャツを脱ごうとした俺は当たり前のように部屋に入ってくる石動千夏にぎょっとした。


「って、ちょっとなに勝手に入ってきてんの」

「俺が外に居る間、部屋の中に誰か入ってきたらどうすんだよ」

「いやいやいや、入ってくるわけ無いじゃん」


扉以外に入れる場所と言ったら窓しかないし、しかもここは結構高い位置にあるのでよじ登ってくるのも難しいだろう。
だけど、こいつは俺の意見を聞くつもりはないようだ。


「いいから早く着替えろ。てめえがぐずってるから時間が押してんじゃねえか」

「…はいはーい、わかりましたー」


やっぱこいつ嫌いだ。厳しい。マコちゃんも厳しいけど、こいつの場合顔こえーし厳しいしうるせえし俺の言うこと聞いてくれねーし、苦手。
きっと、向こうも同じことおもってんのかもしれないけど。なんて文句垂れつつ、俺は制服に着替える。


mokuji
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