噛まれた飼い主 (仙道京視点) 純に怒られた。というよりも、拒絶されたという方が適切なのかもしれない。 一人残された部屋の中。 純の後を追い掛けるわけでもなく俺は一人暗闇の中を眺めていた。 「……」 元々、純がスキンシップを好まないことは知っていたし、俺がからかいながら頭を撫で回しても文句は垂れたがこんな風にハッキリと拒絶されたのは初めてだった。 純に掴まれた後がじんじんと痺れる。 ずっとついてきてくれている純だから、きっと心の何処かでその優しさに甘えていたのかもしれない。 だからこそ、余計、頭を殴られるようなショックを覚えた。 昔とは違う。 そう、はっきりと告げられたようで。 |