オオカミさんからのご忠告

正直、いつもならちーちゃんの戯言を真に受けないしここまでムキにならないが、やはり、タイミングがタイミングだからだろうか。
後を引くように気分が悪い。
無言のままそそくさと帰宅の用意をする俺に、つられるようにしてちーちゃんは立ち上がる。


「仙道、寮に戻るのでしたらどうですか?一緒に晩御飯でも」

「お腹減ってない」

「そうですか。なら、僕は一人寂しく食事を楽しむとしましょうか」

言いながら携帯取り出すちーちゃん。
他のやつ誘うんじゃん。
なんて思いながら、そっぽ向いた俺は「お先に」とだけ呟き、生徒会室の扉に手をかける。


「はい。お気をつけて」


背後から掛けられる言葉に、なに気を付けるんだ、と思いながらも俺はそのまま扉を押した。

mokuji
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