常識人:存在しません 「い゙、ぁ…っ」 下腹部に伸びる四川の手から逃げるよう腰をくねらせるが背後の笹山にぶつかり、逃れられない。 勃起した性器ではりつめた下着越しにその膨らみをぎゅっと指で締められ、「う」と小さく呻く。 「ぁ、くぅ…っ!」 「うっわ、先走りでびちょびちょじゃん。きったねえな、どんだけヤル気満々なんだよ」 変態、と面白くなさそうに吐き捨てる四川は下着の裾から手を滑り込ませてきて、濡れて張り付く下着を剥がしながらパンパンに膨れた性器の根本を握る。 ビクンと腰が跳ね、言い表しがたい圧迫感に俺は目を見開いた。 「っや、だ…苦し…っ」 「ははっ、だろうな」 顔を歪め、いやいやと首を横に振る俺に四川は爽やかに笑った。 そして、そのままこちらをじっくりと眺めるように目を向けてくる。 今度は意地の悪い笑み。 「そんなにイカせてもらいたいなら優しい優しい笹山君に頼めよ、なあ?俺じゃお気に召さないんだろうが」 こいつ、根に持ってやがる。 射精の準備をするために血液が集まっていた性器は赤く腫れ上がり、先端から溢れていた透明の液体が冷や汗みたいに竿に流れる。 四川を睨めば、ふっと笑うやつは濡れた先端に人差し指を当てた。 そしてそのまま伸びた爪で尿道を引っ掻かられる。 「ぁあっ!」 「どうしたんだよ、ただ拭いてやっただけだろ。濡れてんの」 「ふっ、ぅ…ぐ……っ」 背筋が凍るような感触にばくばくと鼓動が鳴り、俺は痛みで込み上げてくる涙を堪えるよう唇をきゅっと結ぶ。 「…っささやまぁ」 「よしよし、そんなに泣かないでください。阿奈が喜ぶので」 目の前の四川から顔を逸らし、背後の笹山に泣き付けば後頭部に唇を軽く押し当てられる。 優しいキス。 「笹山…」 暖かいやつの声にうっかり涙ぐんだ矢先だった。 笹山の手が離れる。 「…?」 疑問に思って背後を振り返ろうとしたとき、背後からジッパーを下ろすような音が聞こえてきた。 まさか。 そう、硬直したとき、再度背後から伸びてきた手に腿ごと腰を抱き抱えられる。 |