まるで蛇に睨まれるような 「っ、ん、ぅ……」 首筋、喉仏、鎖骨と徐々に下りてくる笹山の唇の感触に小さく身動ぎする。 やつが動く度に前髪が当たってくすぐったいのだ。 「…熱いですね」 そう囁く笹山の声は低く掠れ、吹き掛かる吐息に皮膚が蕩けそうになる。 確かに、暑い。 冷房は効いているのだろうがアルコールのせいかやけに体がぽかぽかした。 それは笹山も同じらしい。 「これ、脱いだ方がいいんじゃないですか?」 くいっとTシャツの丸首に指を引っ掻け、肌を露出させる笹山は服の下に指を這わせる。 そっちが目的か。 つうっと皮膚を滑る指にぴくりと震えた俺は笹山の手に自分の手を重ねる。 「じゃあ脱がせろ」 「結構、原田さんって甘えん坊な方なんですね」 笑う笹山。 そのまま空いた手で裾をたくし上げられ、ひんやりとした空気を肌で直接感じる。 寒くはないが、なんか変な感じ。 そんなこと考えてると、剥き出しになった胸元に唇を寄せた笹山に乳輪を舐められ「ひっ」と肩が跳ねた。 「お酒の味がしますね」 「…まじで?」 「ええ、さっきのが残ってるんでしょう」 慣れない感触に逃げ腰になる俺の腰をぐっと捕まえ、胸元に唇を寄せたまま笹山は俺を見上げ、笑う。 「ついでですし、綺麗にしましょうか」 薄い笑みを浮かべた笹山の唇からちろりと覗く赤い舌に爬虫類のそれを連想した。 |