暖めますか? 「や、ちょ…っやだ、笹山、下ろして、下ろせってっ!」 笹山の腕から逃げるようもがく俺は笹山の手を剥がそうとするが、動こうとすればするほど体内に放出されたその液体が外へ溢れるのがわかって「ひっ」と息を飲む。 咄嗟に指で栓をしようかとも考えたがあまりの恥ずかしさに実行に移すことは出来なかった。 「いいぞ笹山、そのまま捕まえておけ」 頭いっぱいの羞恥に混乱する中、背後から店長の声が聞こえたと思った矢先腰を持ち上げさせられ、高く尻を突き出すような格好を強制された。 堪らず慌てて尻を隠そうとした瞬間、笹山に無理矢理広げさせられたそこに遠慮なく指が捩じ込まれる。 「ぁっ、うそ…っ」 つぷりと体内に埋まる指の感触に目を見開き、震える声で呟く。 身構えるように笹山の服を掴んだとき、体内に挿入された指はぐりっと内壁全体を擦るように中を抉った。 その大胆な動きに傷付いた内壁が痛み、熱く疼く。 「店長、抜いてくださいっやだ、店長っ」 「可愛い声で喚くな。もっと鳴かせたくなるだろう」 挑発的な声。 ぜってーこいついつか泣かせる! そう意気込む俺の考えを察したのか、くの字に曲がった指先に中を掻き出すように刺激され舌を噛みそうになった俺は慌てて言葉を飲み込んだ。 「っふ、ぁ…あぁ…っ」 背後と体内からぐちゃぐちゃと品のない音が聞こえてくる。 痛いはずなのに疼く箇所を引っ掛かれればぞくりと全身が震え鋭い刺激は甘いものとなって脳を蕩けさせた。 抵抗したいのに力が入らない。 もしかしたら頭のどっかでは気づいているのかもしれない。 下手に抵抗するよりも大人しくした方がましだと。 まあ、先程の紀平さんとのことで体力を大量に消耗したこともあるだろうが。 「原田さん、痛かったら俺にしがみついていいので」 ただひたすら堪えるように真っ赤になった顔を歪め唇を噛み締める俺の身を案じてくれたようだ。 心配そうに俺の顔を覗き込んでくる笹山。 くそ、優しい。 今はただその優しさが怨めしくて堪らない。 救いになっているのも確かだが。 「ぅ、んぅ…っ」 小さく頷き、笹山の肩口に顔を埋めた俺はそのまま笹山の服を掴み、引っ張った。 暖かい。 しかしこの場合での他人の体温というのは現実逃避の助けになるどころかよりいっそう生々しさを間近に感じるばかりで、改めて俺は自分が置かれたこの状況を再確認させられるはめになる。 |