誰のため? 一難去ってまた一難とはまさにこのことだろう。 「っ、店長、なんで脱がすんですかっ」 「なにを当たり前のことを聞いてるんだ?脱がさなければ薬を塗れないだろう」 笹山に捕まえられ、人が動けないことを良いことに背後に立つ店長はやけに慣れた手付きで下着ごと人のズボンを脱がしていく。 ずるりと足元に落ちるそれを拾い上げようとするが笹山に掴まれた腕はびくともしない。 「く、ぅ……っ」 ああ、なんで男二人に押さえられて脱がされなきゃいけないんだ。 泣きたい。 というかすでにちょっと泣いてる。 店長は臀部を隠す長めの服の裾を持ち上げたようだ。 下腹部に寒気が走る。 「……紀平の野郎、原田の体に痕を残すとは許せん」 「っ、や、どこ見て……っ」 「治療のためだ、我慢しろ」 言いながら尻を撫でられ、先ほど紀平さんに強く掴まれじんじんと痺れていたそこは店長の指の感触にぴくりと震える。 嘘つけてめえこの糞変態がと言おうとしたとき、すぐ背後から「笹山、持っとけ」と店長の声がした。 ……持つ? 「…わかりました」 店長の言葉に頷き返した笹山は側のソファーに腰を掛けたかと思えばそのまま俺の腰を捕まえるように自分の膝の上に座らせる。 下半身を露出したままの状態で向かい合うに座らされ、顔が赤くなるのを感じながらもわけがわからず俺は目の前の笹山を見上げた。 「…ささ、やま?」 「すみません、原田さん。…ちょっと痛いかもしれませんが我慢してくださいね」 苦笑を浮かべる笹山は俺の背中を軽く擦り、優しく抱き寄せてくる。 お菓子のような甘い香水の香りが鼻孔を擽り、一瞬気を取られたとき。 下腹部に伸びた笹山の手に裾をたくしあげるように尻を撫で上げられ、そのまま両手は尻たぶに触れる。 その行動にようやくその言葉の意味に気付いた俺は青ざめた。 「ぁ、うそっ、待…っ」 慌てて、止めようとしたが時すでに遅し。 背後を振り返る俺の目の前で笹山はそのまま左右に尻を広げる。 強制的に拡張されたそこから先ほど紀平さんに出された精液が溢れ、股を伝い落ちるのを感じた俺はあまりの羞恥に憤死しそうになった。 否、いまここで憤死することが出来ればどれだけ幸せだろうか。 |