非理想的な腹上死 「っ、ぁ、あぁ、や、紀平さんっ、紀平さんんッ!」 「ははっ、すげぇ。締まるなぁ、やっぱ…っ」 激しいピストンの度にエプロンの前掛けは揺れ、下着から飛び出した勃起した性器が布擦れし痛みに似た快感に先端からぬるぬるとした先走りが溢れエプロンに染みに出来ていることなんか俺は知らず、ただ紀平さんの性器を受け入れることで頭がいっぱいになり突かれる度に思考が飛ぶ。 それでも下腹部に走る激痛は確かに本物で、痛みのお陰でなんとか引き留められた理性を振り絞った俺は涙で歪む視野を足元に向け嘆くように嫌々と首を横に振った。 「っも、やです、やだ…っ止めてください…っ痛いです、苦しいですっ、俺、死んじゃいます…っ」 「んー?そうなの?じゃあこの場合死因はなんて言うのかな、出血死?腹上死?」 そして言い終わると同時になにか思い出したらしい紀平さんは「あ」と声を上げ、「腹じゃないな。これ」とピストンを続けながら嘯く。 あまりにも緊張感の欠片もない、というかゆるいというかマイペース過ぎる紀平さんに軽い殺意を覚えたが今はただもうこの状況から脱け出すことが優先だ。 しかし、紀平さんはというとよろよろと逃げようとする俺の腰を掴み自分の性器の型でも取るかのように何度もそこを抉り、無理矢理の挿入にすっかり型を変えたケツの穴はガチガチに勃起した性器による激しい摩擦により腫れ、熱を持ち始めたそこにとって些細な感触すらも一時的に意識を飛ばすような大きな刺激となって襲い掛かってくる。 「っぁ、も、無理っ、死んじゃうっ!紀平さんっ!やだっ、ぁあ!」 目をぎゅっと瞑り、嗚咽まじりに喘ぐ俺の腰を優しく撫でる紀平さんは腰を抜かす俺の体を抱きすくめるように「うん、わかった。わかってるよ」と上半身を密着させてきた。 背中と紀平さんの上半身がくっつき、暖かいがそれ以前に根本深くまで挿入されその衝撃に「あッ」と俺は声を上げる。 「かなたんのためにすぐ終わらせるからね、あと少しの辛抱だから、だからほら、もうちょっと我慢してね?」 身じろぎをし、紀平さんの腕の中から逃げ出そうとすれば腕の拘束は更に強くなり耳へ寄せられた唇から吐き出される熱い吐息に背筋がぶるりと震えた。 そして、そのまま腰を抱えられるように棚に押し付けられ、覆い被さってくる紀平さんに更に激しく腰を打ち付けられる。 「っあ、やだ、うそっ、紀平さ、ぁ、はげし、んんっ、ぅ、やっ、紀平さ、ぁッ!」 「ごめんね、あとでめいいっぱい優しくしてあげるから」 だから、もう少しだけ我慢して。 そう息を吐く紀平さんの声もなんとなく苦しそうで、体の中の膨張しきったそれが限界だと悟った俺は目を見開き咄嗟に紀平さんの体を押し退けようと背後に向かってでたらめに手を振ったがやはり一歩遅かったようだ。 「んあぁッ!」 腹の中の性器は大きく跳ねどくんと脈を打つと同時に先端から体内に大量の熱を吐き出す。 その違和感に堪えきれず悲鳴に似た声を上げた俺は紀平さんから離れようとするが腰を掴む腕にぐっと抱き寄せられ、再度奥深くまで挿入されたそれに熱い精液を奥に出された。 大量に放出される熱に放心した俺が自分がなにされたのか気付くまでに然程時間は要いなかった。 |