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「すっ、すみませんっ、ごめんなさ、ぁっ、うそ、待っ、紀平さんっ」


やばいと思い慌てて謝るが、にゅるりと下腹部を擦られ謝罪の言葉は強制的に途切れさせられる。
誠に残念ながら足の長さが違うせいか、相手の性器に股がるようになってしまい必死に退こうとするが腰を掴まれ背中に覆い被さられればもう逃げられない。


「待たない」


そう熱っぽい声で耳元で囁かれればぞくりと全身が震える。
身動ぎする俺を捕まえたままその股の間の感触を楽しむかのように挟めた性器を擦り付けた。
疑似挿入。というのだろう。
勃起した性器から先走りが溢れ、次第に下腹部からぬちゅぬちゅと嫌な音が響く。


「や、ぁ……っあぁ……っ」


自分の足を性器に見立てて挿入されるということ自体考えてもなくて、羞恥やら屈辱やら嫌悪感やらくすぐったさやらで頭の中がぐちゃぐちゃになって感じたことのない背徳感に似たそれに全身から力が抜け、腰が蕩けそうになった俺は咄嗟に目の前の棚を掴む。
そのまま逃げようとするが、掴まれた腰に乱暴に打ち付けられれば性器を擦れ力が抜けた。
ガシャ、と音を立てて揺れる棚。
紀平さんに腰を掴まれたせいでそれにすがるような形になってしまい、結果、相手に尻を突き出すような体勢になったことにまで頭は回らなかった。


「せっかくだから優しくしようと思ったけどさぁ、やっぱこういうの向いてないみたいだわ」


ずるりと股から性器を引き抜く紀平さんは汚れた太股を拭うように撫で、そしてそのまま服の裾をたくし上げ露出させた尻を鷲掴む。
割れ目を無理矢理広げられ、肛門ごと左右に割られた。
そこでようやく息絶え絶えになっていた俺は背後を振り返り、それと同時に肛門にぬるりと濡れた肉質を宛がわれる。


「痛かったらごめんね?」

「な、に言って…」


あまりにも悪びれた様子のない紀平さんの声に、笑顔に、宛がわれたそれに、無意識に声は震えた。
なに言ってるんですか。
そう言い終わる前に、ずぷりと硬く勃起した性器の先端がすぼまった肛門に埋め込まれる。


「ひぃ──ッ!」


先走りを塗り込むようにぐぐ、と体内に割り込んでくる性器に喉が圧迫され、あまりの衝撃(精神的なものも含)に目を見開いた俺は酸素を失った魚みたいにパクパクと口を開閉させた。
力いっぱい掴んだ棚の枠組みはもがく俺の振動のせいで揺れ、ガタリといくつかの商品が床に落ちる。
『童貞チンポ100本斬り!』なんて謳い文句が書かれたAVのパッケージが目に入り、前まで興奮やら性欲をそそられたそれに今は恐怖しか抱けなかった。
俺は、たった一本だけでも死にそうだというのに。

mokuji
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