エプロン下の秘め事

背後からジーッとジッパーを下ろす音が聞こえ、なんだかもう生きた心地がせずテンパる俺。


「やっ、ほんと勘弁してください…っさっきのこと、店長たちに言っていいますから…っちゃんと謝るんで…っ!」


そう咄嗟に腕を振り払おうとするがやはり敵わず、それどころか「へえ、偉い偉い」と軽薄に笑う紀平さんに腰を抱き寄せられれば剥き出しになったケツに嫌な感触が触れた。
熱を持った硬い肉質が閉じた太股の間に捩じ込まれ、股座を擦るように紀平さんが腰を動かす。


「ひぃ…っ」


今度こそ抱き締められるように腰を掴まれ、股に挟まったそれに顔を青くした俺はゆっくりと下を見て、息を飲む。
素股、というやつだろうか。
下腹部を隠すように垂れたエプロンでその下の生々しい実態を直接目の当たりにすることにはならずに済むが、やはり、太股の間でドクドクと脈を打つ紀平さんのそれは本物で。

素股、という言葉が過る。


「あっ、や、紀平さんっ、なにやって…っ」

「ん?あぁ、なんかさ、可哀想だからもう素股で我慢しようかなって」

「素、股って……ぇ……っ」


自然と涙が滲んだ。
男として情けないとかそんなことを気にかける余裕なんてなくて、ただ、他人の熱に戸惑い俺は必死に足を開き紀平さんの性器から退こうとするが、逃げられない。
それどころか慌てふためく俺を見て紀平さんは「男でも出来るんだよ」と楽しそうに笑い、まるで挿入するかのように腰を動かし始めた。
股がるように股座に潜り込んだそれに玉ごと下腹部を擦り上げられ、妙な感触に下半身が震える。


「やぁ、あ、擦らないでくださいぃっ!やだ、紀平さんっ、きもちわる…っ」

「ははっ、傷付くなぁ。俺マゾじゃないから結構くるんだよね、そういうの」


言葉とは裏腹に相変わらず傷付いたように聞こえないその声で耳元で「二度とそんな口利かないよう調教したくなるじゃん」と囁かれ、しかも不思議とそれが冗談に聞こえず俺は悪寒を覚える。

紀平さんがサディストとか笑えねえよ。

mokuji
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