ヒモ男の決心

原田佳那汰、二十歳。
俺は今人生でまあぼちぼち重大かもしれない決心をしていた。

高校のとき実母もののAVを兄と妹に見付けられ家族会議になりあまりの恥ずかしさに耐えきれなくなって家を飛び出し早数年。今の今まで俺は数少ない親友である中谷翔太に養われ生きてきた。つまりヒモだ。
生活費食事代電気代家賃娯楽その他もろもろ、親友に多大な借金を作ってしまった俺は今さらながら後悔し、働こうと決意をしたわけだ。
翔太は『そんなに気にしなくてもカナちゃん一人くらい一生面倒見てあげるよ』とヘラヘラ笑っていたが流石にこのままじゃ申し訳ない。
確かにあいつんち無駄に金持ちだし俺一人くらいまじで養ってくれそうだが、そういう問題ではないのだ。
現在大学生をやって毎日アニメだコスプレだサークルだオフ会だと騒いで青春しまくっている翔太がバイトを始めた。
駅前のなかなか人気のある本屋さんだ。
『新作チェック出来るし雑誌ただ読み出来るからいいんだよね〜』だとか店員らしからぬことをぬかしていた翔太だが、正直俺はショックを受けた。
あの責任感皆無で協調性に欠けた三次元より二次元な翔太が生身の人間相手にバイトだと…?と今までの恩義を忘れ突っ込みたくなるくらいは。
あいつがバイト決まって俺がバイト決まらないのはおかしい。
というわけで自分でも出来そうなバイトを血眼になって探しまくっていただったがとある裏系求人サイトで近場のバイトを見付けた。
なかなかの高給に好条件。
働きたいは働きたいがどうせなら稼ぎがいい方がいいと思っていた俺には喉から手が出そうなもので。
早速掲載された連絡先に電話し面接の申し出を出した俺は身形を整え、外へと繰り出した。

しかし、そのバイトというのは…




mokuji
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