砂糖のようなもの

なんだそのいかにも怪しいファンシーグッズは。
ぎょっとする俺を他所に、同様四川に目を向ける笹山は「ああ」と思い出したように頷く。


「それ砂糖だよ」

「砂糖?こんなもんここあったか?」

「いつもの容器に入った砂糖がなかったから代わりに使ったんだよ。味見したけどちゃんと砂糖だったし」

「ふーん。変な薬かと思った」


なんとなくつまらなさそうに呟く四川にケーキを食べていた俺はぴたりと手を止める。
それに気付いた笹山は眉を寄せ、「ちょっと、人聞き悪いこと言わないでよ」と四川を睨んだ。


「冗談だろ、冗談」


場所が場所だけに笑えねえよ。
と思いつつ、容器を元にあった場所に置く四川を横目に俺は止めていた手を動かし再び食事を再開させた。
相変わらず美味しい。

mokuji
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