調子に乗るべからず

なぜ俺はこんなことをしているのだろうか。
もう何度繰り返したかわからない自問自答の答えは未だ見つからない。


「っふ、んぅ……っ」


捩じ込まれた勃起性器の全体を絞り上げるように唇で締め付け、頭を上下させる。
その度にじゅぽじゅぽと耳を塞ぎたくなるような濡れた音を立てる咥内は泡立ち、性器の先端から滲む先走りと口の中に溜まった唾液が混ざり合い独特の味に吐き気を覚えずにはいられない。
何度かえずいたがやはり口のなかのものを締め付けてしまうだけでその度に膨張する性器に喉を圧迫されまたえずく。
まさに悪循環。


「は……っ、お前口ん中あったけーな」


溶けそ、と色っぽく囁く四川の声が咥内に響き全身が緊張した。
褒められているはずなのだが敗北感しか感じない。
喉奥へ引っ込めていた舌で先走りを溢れださせる尿道を刺激すればビクリと四川の腰は揺れ、こちらを見下ろす四川は満足そうに微笑みながら俺の髪を指先に絡め、弄ぶ。


「おい、先ばっかじゃなくて全体舐めろよ。そんなちんたらしてたら日が暮れるだろうが」

「うるへぇんだよ……っ」


本当減らず口なやつだな。
思いながらくぐもった声で言い返した俺は口いっぱいに挿入したそれを先走りごと吸い上げれば小さく身動ぎをさせた四川は「っん」と低く呻いた。
そして、ぺろりと乾いた唇を舐める。


「お前、結構舌なげぇな。……やべ、ちょっと、まじでやばいんだけど……ッ」


弛ませた頬は赤く染まり、笑う四川は腰を引く。
僅かに頭を固定する四川の指先から力が抜け、僅かながら余裕を取り戻した俺は鼻で息をしないよう気をつけつつ裏筋にべろりと舌を這わせた。
そのまま舌先で血管をなぞるようにゆっくりと滑らせれば性器の打つ脈が速くなる。

ふふん、どうだAVを見よう見真似でパクった舌遣いは!
とにかくこの状況を打破するためにさっさと四川をイカせることに専念することにした俺は息を乱れさせる四川のものから溢れ出す先走りを吸い上げる。
ビクンと四川の腰が跳ね、さっさとイけさっさとイけと念じるように相手を見上げたときだった。


「んぐっ」


もう片方の手が伸びそのままがしっと両手で頭部を固定された矢先、そのまま乱暴に喉奥を突かれる。
それだけならまだよかった。
しかし、四川の手は止まらず力任せに俺の頭を前後させてくる。


「っん゙んーッ、ふっ、ぅぐッ、ぅゔッ!」


唇を滑るように何度も出し入れさせられる大きさのある肉棒に喉奥を突かれる度、目の前は白ばみ顎が外れそうになりあまりの息苦しさに涙が滲んだ。

mokuji
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