この台詞を聞いたら要注意

正直に言おう。
誠に遺憾だが、悔しいが、残念ながらこいつは粗チンでもないし平均よりもでかい方だろう(因みに平均値は見てきたAVから割り出した。俺調べ)。
まあただの八つ当たりというかただのいちゃもんだし寧ろ負け惜しみだ。
昔からよく『文句言うときだけは口が達者だな』とエリートの兄には蔑まれ反抗期の妹には『おい糞、底辺が生意気な口聞いてんじゃねえよ。根性叩き直してやろうか』と殴りかかられるくらいは口の悪さには定評があった。
しかしまあ俺もこの年だし心機一転しておしとやかで物腰柔らかな好青年を目指していた。目指したつもりだが、やはりそう簡単には治らないようだ。
お陰さまで四川をぶち切れさせてしまった俺は言ってから後悔する。
しかし、後悔しかときには遅かった。


「っぐ」


垂らした前髪を掴まれ、無理矢理顔を上げさせられる。
目の前には先ほどの勃起ちんこ。
あれ、四川さんなんかさっきより大きくなってませんかというか髪が抜けるのでもう少し優しくお願いします痛い痛い痛い。

性器に絡み付く唾液に指を這わせ、そのままぬるりと先端に塗り込む四川はぬらぬらといやらしく光るそれを俺の唇に近付けた。
咄嗟に顔を逸らす。
その代わり、頬に押し付けられた。
くちゅりと嫌な音。


「口を開けろ。こんくらいの粗チンなら簡単に咥えられんだろ?」


「なあ、原田」と低く囁くねっとりとした四川の声にぞくりと背筋を震わせた矢先、伸びてきた手に鼻を摘ままれた。
口を固く紡いでいた俺は息苦しくなり咄嗟に口を開く。
そして自分の失態に気付いた。
もしかしてこれはよく強姦もののフェラ強要である鼻を塞いで無理矢理開口からの無理矢理捩じ込むという──…。


「んぶッ」


と思考した矢先、薄く開いた唇を割り開くように固い肉質は無理矢理咥内に侵入する。
強制的に異物を挿入されることによって開かれる唇。
慌てて吐き出そうと舌で先端を押し出そうとするがただ唾液を絡ませ性器の滑りをよくするだけで、息苦しさと込み上げてくる吐き気にもがく俺の後頭部を掴む四川はそのまま一気に喉奥を突くように根本まで挿入してくる。


「ぐッ、ぅえ゙っ」


口いっぱいに広がる独特の匂いにえずくが喉奥のそれを締め付け、四川が気持ち良さそうに小さく息を吐き、こちらを見下ろして笑う。


「どうしたんだよそんな苦しそうな顔して。こんなん突っ込まれたくらいでまさか根ぇ上げねえよな」

「ふ、ぐぅ……っんんっ」


涙が滲む上目で睨めば、四川は優しく頭を撫でるように伸びた髪に指を絡ませる。
実際は俺が頭を離さないように固定する目的なのだろう。
優しい手付きが逆に腹立たしく、くそ、噛み千切ってやろうかと思案したときだった。


「舌を使って今すぐイカせろ。歯ぁ立てたら潰す」


後頭部を掴み、自分の腰に押し付ける四川はそう笑う。
どこのAVだよ、と突っ込みたくなったがこの台詞が使われるAVが強姦・凌辱ものばかりだということに気付いた俺は改めて自分の置かれた立場を理解し、青ざめた。

mokuji
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