慣れって怖い

「っ、ん、んん…ッ」


体内の熱に犯され、頭の芯がぼうってしてくる。
抜かれる気配のないそれは再び芯を持ちはじめ、精液を塗り込むように中を擦り上げられた。
真っ暗な視界の中、過敏になっていた神経は強すぎる快感に耐え切れず、びくびくと痙攣を起こす。
熱をもった自分のものが、腰を打ち付けられる度に揺れた。


「うわ、お前早くね?」

「…っ、いや、ほんと、マジやべえんだって、気持ちよすぎ。これなら何発でもいけるって、まじで」


荒い息が吹き掛かり、喉が鳴る。
ねっとりと足の付け根を撫でられ、そのままぐっと内壁を抉られたとき。
ずるっと生々しい音を立て、埋め込まれていたそれを引き抜かれた。


「いかせねえよ、今度俺の番だっつったろ」


塞ぐものがなくなったそこからどろりと熱を持った白濁が溢れ出したと思えば、すぐに別のものを押し当てられ、散々嬲られ拡がったそこに熱く膨張したものを捩じ込まれる。


「っん、んんぅ…っ!」


精液の滑りもあって、最初の挿入に比べ痛みはないが、全身にずんとのし掛かる重量感は先程に比べて重くて。
ネクタイを噛まされたおかげで息が苦しい。
逃げるように腰を揺らせば、それを邪に受け取ったらしい。
上から覆い被さってくる使用人は熱い吐息を漏らし、楽しそうに笑う。
そして、精液でぐずぐずになったそこへゆっくりと腰を進めた。


「……ねえ、お兄さんどう?俺の中に溜まった鬱憤、全部お兄さんが搾り取ってくれんだろ。なぁ…っ?」

「っぅ、んっ、ふぅ…ッ!」


先ほどまでの粗暴な挿入とは打って変わって、ぬぽぬぽとやらしい水音を強調するようにゆっくりと体の中を犯されれば、あまりにも焦れったい腰の動きに無意識に自分の腰が揺れた。
なにやってんだよ、ほんと俺、落ち着け、落ち着けってば。なに腰動いてんだよ、馬鹿。馬鹿馬鹿馬鹿。と意思通りに動こうとしない浅ましい自分自身に罵詈雑言をなげかけるが、「すっげー勃起乳首擦れて気持ちいい」とか言い出すパイズリ野郎に思考回路ふっ飛ばされる。
気持ちいいのお前だけだろうが!と言い返したいのに言い返せないのがもどかしい。

床の上、体を押さえ付けられたまま乳首に肛門と好き勝手性欲処理に使われる俺は、なんだかもうヤケクソになりそうになる。
開き直れたらそれがいいのだろうがやはり男として乳首をちんこ擦るのに使われるという屈辱的なあれにもう俺はむかついてむかついてしかもぬるぬるしてむずむずしてちょっと気持ちよくなってきてる自分をぶん殴りたい。


「あー、やべえ、貧乳最高ッ!」


快感のあまり、靄がかったようにあやふやになった思考回路がこんがらがる俺を他所に勝手に満足しやがったパイズリ野郎はそのまま人の胸に精子をぶっかけてきた。ぼたぼたと落ちる液体に焼けるような熱を感じ、身を竦めたとき。


「何言ってんだよ、馬鹿。つーか出しすぎなんだよ、俺触れねえじゃん」

「触らなくていいんだよ、俺が綺麗にするから」



綺麗にするって、どういう……。


「っ、ぅ、んんっ!」


言うやいなや、精液で汚れた胸の突起ににゅるりと生暖かい濡れた肉の感触が触れる。
そのま魔精液を舐め取るように皮膚を這う蠢く肉は先程押し当てられていたものとは違う。
舌だ。
そう、限られた感覚を駆使し、理解したとき、そのままぱくりと乳首を咥えられ、吸い上げられた。


「っ、ん、んーっ!!」


脊髄を溶かすような甘い電流が走り、体が大きく仰け反る。
息が乱れ、全身を巡る血液が焼けるように熱くなる。

口を塞ぐものがあってよかった。
もしなにもなかったらと思うと血の気が引いたが、よく考えたら今は声とかそんなことを気にする段ではないな。
慣れって怖い。


mokuji
[ Bookmark ]

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -