優しいお兄ちゃん


ここへ連れて来られた時点で最悪もクソもないのだろうが、なんだこの状況は。 


「んんっ、ふ…っ、んっ、ぅ……!」


目隠し同様口に噛ませるようなにかを巻き付けられた俺は最早喋ることすらままならず、強制的に開かれた唇から涎が溢れる。

つーか、まじ、なんなのこれ。どういうことなの。なんで俺こんなことになってんの。
え?
なんで俺、突っ込まれてんの。


「すげえ、お兄さん感度良すぎっしょ。ぜってー初めてじゃねえって、この腰使い」


頭上、手首を縛られた俺は下半身に走る痛みに低く呻いた。
見えるより見えない方がいいとは思っていたが、正直、やばい。なにがやばいってケツの穴が拡がる感触とか吹きかかる荒い息とか濡れた音とか、全部が全部脳味噌へと鮮明に伝わってくるのだ。
俺がまだなにも知らなければよかっただろうが、悲しいことにケツにもの突っ込まれた感覚を覚えている今自分が何されて何を突っ込まれてるのか理解してしまう。


「んっ、んん、うぅっ!」


慣らしもせずに突っ込まれたケツは、挿入されたそれが動く度に乾いた内壁を引っ張られ、引き攣るような痛みにどっと汗が噴き出した。
痛みから逃れるよう必死に体を捩らせるが、複数の同性に組み敷かれた体は動かない。
誰のかも知らないものが自分の体内に入っているというのは結構、怖い。
だからといって抵抗ができないので、余計。


「マジで?非処女?俺にも代わってよ!」

「馬鹿、順番だってば!」

「うるせえよ、今俺がやってんだろうが!お前らは自分で擦ってろ!」


頭上から落ちてくる声は、同時に結合部からこちらにまで振動として伝わり、背筋が震える。


「っ、ほんと、ミナトさんびっくりするだろうなぁ……弟が輪姦されて腰振ってるなんてこと知ったら」


ぐりっと奥を突き上げられ、「んぐっ」と声が漏れる。

兄にバレる。
そんなこと、考えてもなかった俺はその可能性に全身から血の気が引いでいくのを感じた。
そんな俺の反応を面白がるように、伸びてきた指に剥き出しになっているであろう性器を跳ねられ、弾けるように頭の中が真っ白になった。


「ははっ、すげー汁出てんだけど。こんな下っ端に犯されて喜んでんのかよ、変態だな、原田家の次男坊は」

「乳首もすっげえ赤くなってるし、…うわ、これ結構いいな」


四方から与えられる刺激。
混乱のあまり頭がおかしくなりそうなほどテンパったとき、大きく服を捲られたと思いきや、無理矢理露出させられた胸元ににゅるりと濡れた熱い肉の塊が押し当てられ、心臓が大きく跳ね上がる。

ちょっ、待った、もしかしてこれって。


「ん…っ、んん、んんぅ…ッ!」


そのまま、乳首をなぞるように濡れたそれの全体を擦り付けられ、ぬちゃぬちゃと粘着質な音が響いた。
乳首に押し当てられた固く熱いそれは間違いなくあれなわけで、もしかしてあれか、パイズリかなんて思ったがそもそもズることができるほどパイねーし俺、っつーかどうなってんのこれ。
どうなってんのこれ。
なんで俺がパイズリされてんの。


「っ、ふ、ぅっぐ、んんむっ」


尿道の凹んだ部分が丁度乳首にハマってぐりぐりと擦られる度になんかもう体の奥がぞくぞくと痺れる。
休む暇もなく、最も弱い胸と中を同時に擦られれば、頭の中はチカチカと点灯したように痺れ、なにも考えられない。


「っは、まじやべぇって、たまんねえよ、お兄さん…っ中、すげえ絡み付いてくる…っ!」

「っん、ふ、っくぅん…ッ」

「っなぁ、中に出していい?っいいよなぁ?だってお兄さん、優しいもんな!」


大きく開脚させられた腿を強く掴まれれば、荒々しさを増したピストンに息が止まりそうになる。
待って、と声を出そうとするがネクタイを噛まされた今思うように喋ることすらできない。


「っ、んぐっ、ぅ、んん…っ!」


膨張した性器に中を激しく擦り上げられれば、襲ってくる痛みと快感の波に全身の筋肉がぐずぐずに蕩けたように動けなくなる。
拒めないよう自由を封じ込められた今、ただひたすら受け入れることしか出来ないわけで。
中でみちみちと内壁を圧迫するように膨張するそれがいつ射精するかとかそんな心配ばかりで、それ以前の問題だとかはこの際もう、どうでも…よくないが今は中で激しく脈打つ性器の熱に犯されいっぱいいっぱいだ。

なりふりなんて構ってられない。

腰を叩き付けられ、根本深くまで挿入されたときだ。


「―――ッ!!」


ピストンで激しく中を摩擦するそれは大きく痙攣し、そのまま腫れ、熱をもった体内へと大量の精液を注ぎ込まれる。
それでも止まらないピストンに、腹の中に溜まる精液が立てるじゅぶじゅぶと濡れた音に頭がどうにかなってしまいそうになる。いや、もうとっくに手遅れかもしれない。

mokuji
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