未成年と成人の差

(原田佳那汰視点)


「ひぅんんっ!」


浴室内に乾いた音が響くと同時に、痛覚のなくなってきた下半身が大きく跳ね上がる。
じんじんと疼くケツは恐らく真っ赤に腫れているに違いない。
痛みと疼きで頭が真っ白になり、涙と鼻水でみっともないことになっているであろう顔を腕で覆い、えずく。


「ぅう…も…ごめんなさい……っ、ごめんなさい、お兄ちゃん……っ」

「遅いな」


容赦のない、切り捨てるような冷たい声とともに兄の大きな掌が尻たぶをするりと撫で上げる。
ただ触れられただけだというのに、熱くなった臀部は感じたことのない感触にぶるりと震えた。

そしてすぐにぬるりとした液体が尻に垂らされ、その冷たい衝撃にぎょっと目を見開いた。


「ぁ、や、なにっ」

「言っただろ。体、洗ってやるって」


冷たいそれはボディーソープのようだ。
垂らしたそれを薄く伸ばすように指の腹で全体へと塗り込んでくる兄。
洗うとか、そういうあれじゃない。その手付きは。
ぬるぬると直に皮膚を滑る兄の指から逃げようお体を攀じるが、散々叩かれたせいか下腹部に力が入らない。


「っんぅ…!っひ、や、やだ…っ!」


ぬちゃぬちゃと音を立て塗り付けられる粘着質な液体がやけに卑猥で、それでなくても痛みで敏感になったそこは熱く火傷をしたみたいに疼き出して。
あまりの快感の強さに、まるで自分の体ではないような錯覚を起こさずにはいられなかった。


「強くし過ぎたか。……赤くなってる」

「ぁ……あぁ……っ!」


優しく手形がついたそこをなぞられ、ぞぞぞぞ、と背筋が震える。
いけないとはわかっていても、兄の手は今の俺にとってはあまりにも酷すぎた。
全身の熱が、血液が、下半身に集中する。
尻を叩かれて勃起するなんて、可笑しい。
わかっていたけど、わかっているけど、我慢できなかった。


「お兄ちゃ、だめ、お兄ちゃん…っ」


これ以上触られたら、まずい。
せめて、と尻を手で隠そうとするがそれすら兄に簡単に振り払われる。


「なにを恥ずかしがっている。兄弟で恥じることなど何一つないはずだ。昔はよく洗いあっこしただろ」


それとこれはわけが違うだろう!
というか、小さい子供がケツ叩かれてソープまみれにされてたらそれはそれで問題だと思うけども!

mokuji
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