延長戦の特徴【休憩】 「…終わった?」 離れる携帯。 携帯電話を確認する司は俺の顔を覗き込む。 「なんか、切られた…って、ちょ、待って、いきなり動かなっ、ぁっ、ばかっ!」 答えようとした矢先だった。 いきなり抱き寄せられ、文字通り手も足も出せない俺はそのまま司に腰を掴まれる。 挿入したままの下腹部が更に密着し、慌てて離れようとするが敵わない。 腹の中で動くそれに戸惑い、逃げようともがいたとき。 ベッドにうつ伏せに倒され、バックから思いっきり腰を打ち付けられる。 「っは、もっ、うごくなってば!やだ、つかさ、ぁあっ」 痺れを切らしたかのように性急なピストンに、枕に顔を擦りつけながら逃げようとする俺の腰を捕まえた司は浅く息を吐く。 「っ…取り敢えず、一回出させて」 「えっ、や、出すって…っ」 なにを。いやあれしかないけども!でも! 熱を孕んだ色っぽい司の吐息に顔が熱くなって、そんで激しい挿入に息が詰まって。 シーツ上。 犬みたいに這いずり、背後からのそれに悶えるしかない俺は口を開閉させ、なんとか空気を取り込もうとするが奥を突かれる度に呼吸の仕方を忘れる。 代わりに、息苦しさと痒いところに触れるような絶妙な気持ちよさとが雑ざり合ってわけがわからなくなった俺の目からぼろぼろと涙があふれた。 そして、次の瞬間。 「ぁ…っ、ぁあ………っ!」 腹の中。 硬く膨張した体内の性器から勢い良く熱が溢れ、腹部を満たしていく。 「……っ」 声を殺し、息を吐く司は暫く深く挿入したまま動かなかった。 どくどくと注がれる精液を味わうのは初めてではない。 ないが、やはりいつになってもこの違和感というか不思議な感覚には慣れない。 熱と快感で朦朧とした頭はまだどこか夢を見ているようで。 「…ごめん、やり過ぎた」 我慢できず泣いてしまった俺に気付いたらしい。 前髪を撫で、肩越しに顔を覗き込んでくる司に軽く額にキスされる。 こそばゆい感覚に目を細めた時、ずるりと萎えた性器を引き抜かれた。 後を引くように、体内に注がれた精液がどぷりと溢れ、腿を汚す。 ようやく開放され、ベッドに倒れ込む俺を一瞥する司はそのままベッドを降りた。 「一回休憩しようか」 え?休憩? まだやんの?という俺の死にそうな顔を気にするわけでもなく、そのまま司は寝室を後にした。 帰ってきたやつの手に飲み物の他にうちの店で並んでるようなものがわんさか握られていたのは言うまでもない。 少しでも司の優しさにきゅんとした俺は馬鹿だったようだ。 |