どちらがましなのか

「司、だめだって」

「ブラは付けてないんだ」


俺はあったほうが好きなんだけど、となんでもないような顔をして囁く司に服の上から胸を撫でられ、咄嗟に仰け反った。
それが仇になったようだ。
衣類越しに胸を鷲掴まれ、そのまま胸を揉まれる。


「っふ、あ」

「でも、こんなに貧乳なら必要ないな」


まるで実際についているかのような生々しい手つきで胸元を弄られ、女の子扱いに屈辱を覚えずにいられなかった。
だけど、それ以上に自分の格好を意識してしまい恥ずかしさやらなんやらで興奮してしまっている自分を殴りたくて仕方がない。


「つかさ、やだ、触んなって」

「触らないと脱がせられない」

「だって、お前、脱がしてねーじゃん」

「脱がしてるよ。こうやって」


そう、当たり前のように答える司に「へ?」と目を丸くした矢先だった。
エプロンとワンピースの胸元にできた割と大きな裂け目に手を入れた司は、そのまま衣装の裂け目を大きく広げる。
瞬間、ブチブチっと耳をふさぎたくなるような音がして、素肌が裂け目から大きく露出した。


「っや、ぁあ…っ」


俺からでもわかるくらい破けたそこに手を入れたまま、やっぱり顔色ひとつ変えない司は「ほら」と、恐怖寒気諸々でツンと固く尖った乳首を指先で潰す。
手で隠せない恥ずかしさと司から丸見えになっているという事実になんだかもう俺はさっきまでこのコスプレ衣装にぶーたれていたのがひどく平和に感じた。


「いい眺め」


後悔先に立たず。

mokuji
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