生殺しですか 「は、ぁ…っ」 ゆっくりと目を細め、息を整える俺はそのまま店長の手にしたそれに目を向ける。 ぷんぷんと臭うフルーツの香りが逆に憎たらしくて、目の前のそのディルドに先程の店長の指の名残が残った体内が物足りないと疼き出すのを必死に抑え込むように俺は腿を締めた。 「そんなの、入りませんって、絶対……ッ」 「安心しろ、無理矢理捩じ込んでやるから」 どう安心しろと……! 渋る俺の腿を持ち上げ自分の肩へと担ぐ店長はそのまま仰向けにぐったりとなる俺の顔を覗き込む。 そして、しっかりとほぐされたアナルの入り口を優しくなぞってくる骨っぽい指先にピクリと俺は小さく反応した。 「力を抜け。口で息をしろ」 至近距離。 見詰めてくる店長は言いながら俺の背中の下に手を入れ、ゆっくりと上半身を起こしてくる。 「痛かったら俺の服でも噛めばいい」 「ふ……ッ」 そのまま抱き締めるように背中を撫でられ、覆い被さってくる店長の上半身にすがるようにそのしっかりとした背中に腕を回した俺はそのまま肩に顔を埋める。 微かに店長が笑ったのを感じた。 そして俺がおとなしくなったのを確かめれば店長はディルドの先端をアナルに押し付けた。 「挿れるぞ、よく見とけ。今度から自分で出来るようにならないといけないからな」 ならなくていいわ! と内心突っ込んだとき、くちゅりと小さな音を立てディルドの先端が濡れたそこに埋め込まれる。 玩具とはいえ指とは比べ物にならない質量のそれにほぐされていた体内はみちりと音を立てゆっくりとディルドを呑み込もうとした。 「ひッ」 ずぷずぷと侵入してくるそれに全身の筋肉は緊張し、圧迫された喉は締まる。 本来ならばカリを入れるだけでも一苦労なのだろうがローションと店長の指に寄って慣らされたアナルは皮肉にも順調にそれを飲み込んでいった。 が、それ以外は挿入される異物についていけていない。 「痛、無理、やっ、入りません!入りませんってそれっ!ぜった、ぁッ……んんぅっ!」 「なにが入らないだ。よく見ろ、貴様のケツはちゃんと咥えてるぞ」 「ひッ、ゃ、抜いて、抜いてくださっ、あ、ぁあッ!」 痛みに全身が引きつり、嫌な汗が滲む。 閉じた襞を掻き分け、ローションによってぬるぬると滑るように挿入されるディルドについたイボが内壁を擦り上げれば痛みの中疼くような快感に俺は店長にしがみついた。 必死に受け入れるが我慢出来ず、俺は店長の肩口に噛み付く。 そんな俺の背中を優しく擦り、店長は小さく笑った。 「どうだ、試作品の調子は。想像通りだったか?」 「ぁ、そんなの、わかるわけ……っや、ぁ、んあぁ、やだ、抜き差ししないでくださ、ひぃッ!」 言いながらぐちゅぐちゅとローションを絡めとるように半分まで挿入したディルドを前後に動かし始める店長。 ディルドについた無数の凹凸が激しく中を刺激し、内壁ごと引っ張り出す勢いで襲いかかってくるその言い表しがたい快感に頭真っ白にあった。 「ぁ、っイボ、やだ、きもちわる、やだ、店長、んぁッ、や、動かさないでぇ…っ!」 ローションでぐちゃぐちゃに濡れた下半身がディルドに合わせて動く。 息の仕方を忘れ、はっはっと犬のように呼吸が浅くなる。 軽い酸欠に陥ったのかぼんやりとしてきた頭の中ただ激しく乱暴ながらも的確に責めてくるその愛撫に再び下半身に熱が集まり始めた。 やばい、気持ちいい……っ。 そう、理性を失いかけた矢先だった。 「ひぁんッ!」 ずるりと体内からディルドを引き抜かれ、強く内壁を掠めたイボに俺は跳び跳ねた。 ローションで濡れたディルドが机に捨てられる。 「ふん、やはり処女にはキツかったか。イボが邪魔で挿れにくいな。中級者向けにしとくか」 店長はぶつぶつと言いながら俺から手を離す。 そして、いきなり止められ呆然とする俺に目を向けた店長はにこりと見惚れるような営業スマイルを浮かべた。 「ご苦労、原田佳那汰。お前のお陰でいいデータが取れた」 「……え?」 |