敏感肌には優しくしましょう

「あーそう。そういう態度取るんだ」

「っぅ、ん」

「馬鹿だよねえ、カナちゃんって」


膝裏を擽る筆先はそのまま皮膚の上をすす、と這い下る。
徐々に足の付け根へと近付いてくるその無数の毛の感触にぞわりと背筋が震え、足を動かし振り払おうとするが掴まれた足はびくともせず。


「っん、ぅ、くぅ……ッ!」


ゆっくりと焦らすようにスカートの下の股間に近付いてくる筆先。
唇を噛んで我慢するもこしょこしょと軽く毛先で撫でられればあまりの擽ったさに力が抜け、全身からぶわっと嫌な汗が滲んだ。


「カナちゃんってばもう泣いちゃったの?ほんと泣き虫さんなんだから。でも駄目、僕の言った通りにするまでやめないから」


俺の限界がすぐそこまで来ていることを知っているのだろう。
ちゃっかり要求を大きくする翔太に怒りを覚えると同時に自信たっぷりなその物言いになんとなく嫌な予感がする。

全身に力を込め、どっからでもきやがれと半ばヤケクソになりつつ翔太を見上げたとき。
やつの目線が俺の下腹部に向けられた。
翻ったスカートに隠れたのは女装に合わせて着替えさせられた小さなレースとリボンが散りばめられたウェイトレス服とお揃いの下着(ムカつくことにこれも手作りらしく丁度いい)。
緊張のせいか血液が集まり僅かに硬直したそこに俺はまさかと再度翔太を見上げる。
その矢先、付け根まで這ってきた筆先が下着の盛り上がりに触れた。


「っは、ぁ…んぅッ!」

「カナちゃんが擽り弱いってのは知ってたけどこういう意味で弱いとは思わなかったなぁ。へえ、カナちゃんって意外と…」


意外と、なんだよ。途中でやめんなよ。バカ。アホ。
玉の膨らみを撫で、そのままゆっくりと全体を舐めるように毛先を這わしてくる翔太に更に下腹部への血液の巡りが良くなる。
スカートを捲られ、大きく腰を持ち上げられむき出しになった下着の膨らみが筆に反応して大きくなるのを目の当たりにしてなんだかもう死にたくなった。
ぎゅうっと目を瞑り、顔を逸らす俺に翔太は呟く。


「えっちだね」


お前には及ばない。

mokuji
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