適切かつ妥当 | ナノ




カシャ、と文字通りのシャッター音に視線が集まる。

「撮った!?撮りました!?」

馬鹿みたいにふざけている様子を撮られたというのに何故か嬉しそうなリエーフに頷いて写真をバレー部のグループにのせる。

「流石マネージャー仕事早えな」
「まあね」

登校途中に買ったパンをかじりながら隣で大きなお弁当箱を平らげていく黒尾君がふと私の携帯を覗いてあ、と声を漏らした。

「ん?」
「赤葦と随分仲良くなったんだな」
「え?あ、これか。うん。まあ宿題教えたりとかしてたら」
「へぇー」

あの合宿でこれからもお世話になるから、なんて交換したラインにはちょくちょく会話の跡があって。確かに仲良くなったなぁと電源ボタンを押して机に置く。

「なんかさ」
「んー」
「大人しそうなのになんか会話続く人いるじゃん。意外と人脈広いというか」
「ああ、いるな」
「赤葦君それだよね」
「それだな」

もしゃもしゃと味気のないパンと味の濃すぎる具を咀嚼する。

「さっきの画像おくってみろよ」
「ああ」

その言葉にさらに口を大きくしてパンを頬張り食べ切ってきまうと、指先についたパンを袋の中に落として携帯を取る。

「おま、ででどん!って」
「なんかそんな感じの絵面じゃん」
「お前赤葦に慣れすぎぃ」
「黒尾君にも慣れてるから拗ねないでー」
「赤葦と俺、どっちが大事なの!ってか」
「それ女の子のセリフでしょ。あ」

ぽんっと画像がひとつ、どアップの木兎君とその隣で見切れてる木葉君だ。向こうもミーティングをしてたのか、たまたま集まってたのか。続いて楽しそうですね、こっちも(主に木兎さんが)賑やかですと流れてきた。

「悪い、待たせたな」
「おーお疲れ」
「夜久さん遅いですよー」

そこで用があった夜久君が遅れてやって来たので、一言二言だけ飛ばして電源を落とす。

「じゃGW合宿のミーティング始めんぞー」




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