夢見 | ナノ




「確かどんな質問にも答えてくれるってやつか」
「そう」

有名な都市伝説だ。公衆電話電話に10円玉を入れて自分の携帯に電話をかけ、つながったら”さとるくん、さとるくん、おいでください”と唱える。24時間以内に携帯電話に電話がかかってきて、電話に出るとさとるくんから今いる位置を知らせてくれる。それはだんだん自分に近づき最後には自分の後ろに来る。このときにさとるくんはどんな質問にも答えてくれるという。ただし、後ろを振り返ったり、質問を出さなかったりすると……そんな内容だった。あの場所からかけたのだから普通の公衆電話より実現しやすい、はず。

「それで、みょうじさんの居場所を聞くのか?」

違うのを前提にクロに問われ、口を開いた。

「なまえがいる場所への行き方。それか、なまえを助け出す方法にしようと思う」
「死ねば会えるとか言わねーだろうな」
「……じゃあ生きたままってつける」
「そーしとけ。しかし研磨がこうまでして頑張ってんの見ると感慨深いな」
「なにそれ。てゆーか後味悪いし」
「まぁこれだけ関わりゃそうだよな」

多分学校にいる間は電話はかかってこないと思う。いや、まず電話自体かかってくるか分からないが。けれど成功すれば今夜のうちになまえを助けに行けるはずだ。

「……気を付けろよ」
「うん」


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