鈍痛 | ナノ




部活のない月曜日、ずっと俺のファンだという子に会ってみないか、という誘いに乗ったのはちょっとした好奇心と気まぐれだった。
別に早く帰りたいほど疲れてもなかったしやりたい事があったわけでもない。それに、俺と一度も話した事がないファンにも興味があった。

あんな風に出来たら、コートが今までと違って見えるのかと

そう言ったのは確かに、何度か見かけたことのあるごく普通の女の子だった。俺のファンだと言ってる子も試合が始まればその局面に気を取られるのに、いつもひたすら俺のプレーを見ているから他より少し印象が強い。
俺みたいなプレーが出来たらいいのに。そんな懇願のような憧れを抱かれて純粋に嬉しく感じたのは、あくまで違う土俵の話だからだとしたら捻くれたものだ。確かに司令塔といったタイプには見えなかったけれど、試合が始まればがらりと人格が変わる人だっている。

(あの子はどんなプレースタイルなのかな)



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