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じっと見つめられて、頷く。
……あー、でも、待てよ。頷いた後、しないって言ったら嘘になるな、と言い直した。
まあ、案の定青はむっとしたけど。
「ああ。……ん、いや。するかも」
「いやだ。だめ」
「ん、はは。大丈夫。お前のこと以外、考えないから、安心しろ」
俺の答えに、青はきょとんとして目を瞬かせる。はは、可愛いなぁ。
にっこりと笑ってやれば、青は俺の言葉を理解したのか、心底嬉しそうに笑った。
「ほんとぉ? ほんとに、俺のことだけ?」
「ああ、もちろん。っていうか、今までのだって、お前のこと考えてたんだぜ?」
だから、お前が不安に思うことも、わざわざ俺の意識を自分に向けようとする必要もないんだ。
最初から俺は、お前のこと以外なんて考えてねえし、意識もずっとお前一人のものなんだからな!
そう伝えてやると、青がいきなり抱きしめてきたから、「わっ」と驚いてしまった。
……んー、青、抱きついてくるのはいいけどさ、当たってる。
言いたかったけど、俺は空気は読めるつもりだ。
「嬉しい。すごく嬉しいよー、深海。大好き。これからも、俺以外を見たらだめ。ずっと、俺だけを見て」
俺以外に目をやったら、俺どうしていいかわからない。なにをするかわからない。ぎゅうぎゅうと俺のことを抱きしめながら、そう呟いた青。
俺はそんな青に、ただ、「おう。当たり前だろー」と笑ってやった。
「……ん、はっ、ぁっ、なに、続き、するのか?」
「うん。俺のこと、入れてね」
「あっ、は、ふぅ……うん。わかった。――おいで、青」
それがどういう行為かなんて、もちろん知ってる。
恥ずかしさだってあるけど、一つになりたいと言って、身体をすり合わせてくる青を拒むことなんてできないし、最初から拒むつもりもない。
行為を進めようと、俺に口づけ、服を脱がし始めた青に、俺はすべてを許してるという思いを込めて身体を委ねた。
「あは、深海、綺麗だ」
「へ? どこがだよ。綺麗ってのは、青みたいな身体を言うんだぞ。ほんと羨ましいな。筋肉ついててさ。……俺なんか、あんまりついてねえし」
「……っ」
言いながら片方で青の胸板を、もう片方で自分の胸板を触っていたら、いきなり青が俺の胸元に顔を近づける。
ん? と固まっていたら、乳首に生温かい感触。
「ひぇっ、なっ、いきなり、なに……っ」
「ん。そういうこと、したらだめだって、言ったのに。俺のこと、煽ったんだから、責任とってねー。……深海のここ、すごくおいしいよ。可愛い」
「うぁっ、や、めっ」
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