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「さ、身体洗ってやるから、服脱げよ」

「……洗ってくれるのー? 深海がぁ?」

「おう。綺麗にしてやるからなぁ」

 俺の部屋に到着すると、俺は青をつれて真っ先に浴室へ向かった。

 脱衣所につくと引っ張っていた青に振り向き、服を脱ぐように告げる。

 俺の言葉にきょとんとしていた青だったけど、ぱちくりと目を瞬かせたあとなんとも嬉しそうに笑う。

 そんな青の頭を撫でてやると、青は血で汚れた制服を脱ぎ始めた。うわー、すげぇいい身体。

 羨ましいぜ。

 下着まで全部脱いだ青の身体に触れる。どうやったらこんな身体ができるんだ。俺に教えてくれ。

 しっかりと筋肉がついた身体は、もう一種の芸術品だと思う。

 そう思いながら何気なしに身体を触っていたんだけど……。

「――っ、ふか、み。そういうこと、しちゃだめ」

「へ、えっ? そういうこと、ってなんだよ」

 首を傾げながらも、青の胸板に手を置いていたら、みるみる内に青の表情が変わっていく。

 あ、なんか耐えてるみたいな、混乱してる顔だ。でもなにに耐えてる……?

「ぅ、ぅ……っ、俺……っ深海ぃ」

「わ……っ!」

 その表情の意味を考えている時だった。

 胸板を触っていた手を取られ、ぐいっと引かれたかと思うと、壁に背中を押しつけられる。いきなりの衝撃に瞑ってしまった目を開けると、目の前に青の綺麗な瞳があった。……って、なんでそんな近くに?

 そう思い口を開いたところで、青との距離はゼロ。というかマイナス?

「ふか、みぃ……っん、ん」

「はっ、ぁ? な、んぅ、に……っ」

「っ、ふ……は、俺、悪くない。深海が悪い。ん……」

 呑気なこと考えてる場合じゃないぞ俺。

 なぜかいきなり青にキスされたかと思うと、ちょうど口を開けてたからか、そのキスはどんどん濃厚なものになっていく。くちゅくちゅと口の中から唾液がからむ音が響き、頬は真っ赤に染まった。

 青がどうしてこんなことをしてるのかわからないけど、自分は悪くなくて、俺が悪いって言ってることから、多分ほんとに俺がなにかしたんだと思う。

 でも、俺、なんか煽るようなこと、したか?

「っ、深海、なに、考えてるの? ……っだめ! 俺以外のこと考えたらだめ! いやだっ」

「えっ、いや、俺は……っ、ぅん、は、ぁっ、ちょっ……!」

「だめ、やだ、やだ」

 否定の言葉を紡ぎながら、青はキスを深めていく。

 壁に抑えつけられた身体は、青が固定してるから身動きすら取れない。俺の言葉も呼吸も、全部奪うようなキスは、それから数分間続いた。

 それこそ、俺が青のこと以外考えられなくなるくらいに。まあ、最初から青のことしか考えてなかったんだけど。

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